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テンシュテットのシューベルト「交響曲第8番"未完成"」

2008.03.29 - シューベルト

shubert

シューベルト 交響曲第8番「未完成」 テンシュテット指揮ロンドン・フィル


これはテンシュテットが初来日したときのライヴである。
テンシュテットを聴きたくて、このコンサートには実際に足を運んだのだが、本当に行きたかったのはこの公演ではなかった。
マーラーの5番のほうを聴きたかったのだ。
1984年といえば、テンシュテットがマーラーの交響曲を次々に録音している最中であり、その中でも最初期に発売された5番はすでに評価が固まっていたものだ。
テンシュテットのライヴは、スタジオとは比べものにならないくらい凄みがあるとのうわさを聞いていたので、その曲の、しかもライヴとなれば行きたくならないわけはなかった。
ところが、前評判の高さからか、マーラー公演のチケットは早々に売切れてしまったので、渋々というわけではないけれど少々の無念さを感じつつ、こちらの公演を聴きに行ったわけだ。

そのときに聴いた「未完成」の演奏がどうだったかと言えば、正直言ってあまり記憶にない。
それは、後日に聴いたFM東京の放送を聴いたときも同じだった。
「未完成」を聴くには、若すぎたのかもしれない。
それから20年以上を経て、改めて聴いてみる。
テンポは終始ゆっくりしていて恰幅がよい。テンシュテットのライヴは燃え狂っているとの評があるが、ここでは決してそんなことはなく、むしろ地に足をどっしりつけた落ち着いたものだ。
弦楽器のなにげない表情がひかる。特にチェロが濃い。ロンドン・フィル特有の靄のかかったような厚い響きを基調に、実にしっとりとなめらかな肌触り。
シューベルトのデモーニッシュな面は希薄であるが、まるで海の底を目指して沈滞してゆくような、おだやかな暗色の演奏である。
ライヴということを抜きにしても、完成度は高いといえる。何度も聴くに堪える録音だ。

1984年4月11日、五反田簡易保険ホールでの録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんばんは

ブログの更新、待ちわびておりました、爆~。
吉田秀和さんの「私の好きな曲」もう何十年ぶりかで読んでいます。シュベルトの9番のシンフォニーのところで、秀和さんは、シュベルトのデモーニッシュなところを書かれていて、興味深かったです。

テンシュテットという指揮者 私にはまだ評価できない感じです。定評のあるブルックナーを聞いてみても、面白い感じがせず、大昔に買った、マーラーの4番は面白いと思うんですが~。これまた定評のあるヴァーグナー、これも、最近はまっているカラヤンと比べても熱が少ない感じがします~。

私にはまだ分からない指揮者の一人です~。

ミ(`w´)彡 
2008.03.29 Sat 20:45 URL [ Edit ]

rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

吉田秀和の「私の好きな曲」って、思えばすごい題名ですよね。彼だから許されるというか…。
読んでみると、ジャンルが多様で地味な曲も選ばれているので大変面白く読んでいました。
また読み返してみようかな。

テンシュテット、作曲家によってムラがあるように思います。
ブルックナーはいまひとつのような気がしますが、マーラーはいくつかすばらしい演奏があります。
彼はクライ。クラさがマーラーとよくあっているのではないかと。
「未完成」は、いい演奏で、テンシュテットのやり方がシューベルトとマッチした感じがします。
シューベルトでもBPOと演奏した「グレイト」はあまり印象に残っていません。
彼の演奏としては一貫しているのかもしれませんが、聴き手からするとムラを感じます。そこに意外性があり興味を引かれます。
2008.03.30 09:30
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