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スダーンのシューベルト(ベリオ)「レンダリング」

2008.04.26 - シューベルト

schubert

シューベルト(ベリオ)「レンダリング」 スダーン指揮 モーツァルテウム管


「レンダリング」は、ベリオがシューベルトの交響曲ニ長調を補筆して完成させた管弦楽曲であるが、ふたりの作曲家の色が描き分けられていて、まったくユニークな味わいがある音楽だ。
19世紀前半の古典的世界と、20世紀後半の混濁した秩序の融合。
平穏な日常生活が急速にゆがんでゆくような感覚、もしくは雲ひとつない快晴の空があっという間に雲に覆われて雷が轟く風景、もしくは普段温厚な人の顔が怒りにゆがんでゆくような。
この下手な喩えは常に前者がシューベルトというわけではなくて、19世紀初頭の牧歌的シーンが実は悪夢であり、不協和音の鳴り響く現代の音のほうがむしろ日常の世界に近かったりするのかも知れない。
見ている世界がみるみるうちに変化してゆくところの自在さが、この曲の面白さである。
この音楽、シューベルトとベリオと、どちらの色が近いのか。メロディーはシューベルトのものであるいっぽう、全体のコーディネイトはベリオだ。時代は違えど、ふたりの作曲家の幸福な共同作業と思う。
これを聴いてシューベルトがどう思うか気になるところだ。気にしてもしょうがないけど。
ザルツブルク・モーツァルテウム管弦楽団は、軽快でしなやか、あたかもライト級ボクサーのような軽やかな足取りでふたつの異なる情景を描いている。

2002年8月、ザルツブルクでのライヴ録音。
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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんばんは

今日は良いお天気でしたね 暑いくらいでした~


シュベルトとベリオとの合作ですか
ベリオの曲をほとんど聴いたことがありませんので、想像が難しいです。
吉田さんが書かれていることから判断するしかないのですが、18世紀の初頭の方が非日常で、20世紀の方が日常の世界 というところ、何とはなしに分かるような気がします~。

吉田さんが取り上げられる曲 本当に珍しいものばかりで勉強になります、今回も未聴のままのコメントです~。

ミ(`w´)彡 
2008.04.26 Sat 16:48 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

この曲を始めて聴いたのは、去年の夏です。
ブリュッヘンが演奏しているのをFMで放送していたのです。プログラムを知らずにたまたま聴いていて「何だこれは」。現代音楽のなかに、古典派が混ざっているような曲で、軽い衝撃を受けました。
それ以来気になっていなのですが、最近ようやくCDを見つけました。
スダーンという指揮者、日本にたびたび来ているヒトじゃないかと思いますが、聴くのは初めてです。
「レンダリング」だけでは、どういう指揮者なのかつかみきれなかったのですが、カプリングに入っている「ハフナー」交響曲、これはいい演奏でした(笑)。
2008.04.27 08:50

無題 - rudolf2006

吉田さま お早うございます~

追伸です
スダーンという指揮者 ちょっと面白そうですよね~

ミ(`w´)彡 
2008.04.27 Sun 08:48 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、おはようございます。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

ユベール・スダーンという指揮者、現在はモーツァルテウム管の首席客演指揮者、東京交響楽団の音楽監督だそうです。
そういえばどこかの東京のオケのプログラムに名前が載っていたなあと記憶していたくらいです。
「ハフナー」がよかったですよ(笑)。
2008.04.27 09:08
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