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ショルティのR・シュトラウス「7つのヴェールの踊り」

2006.09.21 - R・シュトラウス
ショルティ

ショルティBPO/「7つのヴェールの踊り」


オペラの全曲を聴き通すことは、昔から苦手である。
まず言葉がわからない。まともに取り組もうとしたら歌詞対訳を参照しながら聴くわけだが、これがおっくうで。
だから、たいていの場合は、あらすじを覚えておいて聴くわけだが、どうも未達成感があって、満足に聴いた気にならないのである。
対訳のついた舞台で観るオペラは素晴らしいのだが、そう何度も足を運ぶわけにはいかない。
飲み屋にもいかなきゃならないし。
「サロメ」でさえも、カラヤン盤を通して聴いたのは1,2度くらいか。
きちんと聴けば、いいのはわかっているのにもかかわらず。同じ時間がかかるのなら、マーラーの3番を聴いてしまうな。


このCDは、ショルティがカラヤン亡き後にベルリン・フィルを振った録音。
ベルリン・フィルらしい、こってりと脂ののった響きを味わうことが出来る。
この演奏、カラヤンのステレオ3種のものに比べると、流麗さに劣る。もう圧倒的に違うのが、聴きくらべるとよくわかる。
ホントにカラヤンは流線型の音楽を作ったものだ。最近は車も電車もどんどん流線型になってゆくけれど、ああいう感じだ。
そのかわりショルティは、副声部を明確に際立たせて立体的なフォルムを作り出すことに成功している。手触りはゴツゴツしているが細部が明瞭に聴くことができ、これはこれで立派な音楽だ。
ベルリン・フィルも、腕っこき奏者の実力を遺憾なく発揮している。
打楽器がことごとくでかいのはショルティの指示によるものと考えられるが、特にシンバルの「グシャ」という金属を切り裂くような音が、実はシカゴ饗の奏者の癖によるものではなく、ショルティの指示によるものだというのがこのCDを聴いてわかった。

カラヤンがシカゴ饗を振ることはとうとうなかったが、実現したらどのような音が出たのか、興味深かった。
厚みには欠けるかもしれないけれども、流麗でひんやりとした透明な音楽を聴かせてくれたのじゃないだろうか。




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