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ワルターのベートーヴェン「交響曲第4番」

2007.12.30 - ベートーヴェン
walter

ベートーヴェン 交響曲第4番 ワルター指揮コロンビア交響楽団


序奏部の低弦のピチカートに、存在感がある。朴訥でありながら、生気みなぎる濃厚さに満ちている。
ひとつひとつの音に重みがあり、聴いていて元気が出てくる音楽だ。
ワルターの指揮は、小さなフレーズにおいても確かな表情が味付けされていて、随所に山場がある感じ。こういう厚みのある音楽は、そう誰もが実現できるわけではない。ワルターを聴く楽しさがあると言える。評判高いクライバーの演奏よりも、こういうスタイルのほうがしっくりくる。
とはいえ、この演奏、良いところばかりじゃない。
コロンビア饗の弦は響きが薄いと言われるが、全く同感。薄いうえに響きがメタリックであり、それでいて光沢があるわけではなく、キンキンしていて耳障りなところを感じる。録音の按配や装置にもよるのかも知れないが。
それから個々の奏者の技量。オーボエはチャルメラのようであるし、フルートはスカスカだ。ホルンはいるんだかいないんだかわからない。
これがニューヨーク・フィルだったらと思わざるをえない。ワルターがやろうとしていることは実によさそうなのに、それが十全に生かされていないのがなんとも歯がゆい演奏である。
全部通して32分弱だが。反復を繰り返していないので、体感的にはゆっくり目のテンポで一貫している。

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Comment

無題 - rudolf2006

吉田さま こんにちは

ヴァルター・コロンビアの演奏ですね
結構、どの盤を買うかで音が異なっているように思います。何度もリマスタリングされていて、結構、良い音のものもありますね。

弦楽器も管楽器も、どの盤かで音が異なりますね、それと、オーボエなどは、あの当時のアメリカの名手が演奏されているんですよ、チャルメラのように聞こえますか?(爆~)アメリカの管楽器はフランス系の奏者が中心なんですよ、で、あの当時の音は、もろにフランス系の音なんですよ。私は結構好みですが、爆~。
ロス・フィルが中心になっていたようですね。
ベトベンの4番、難しいですが、良い曲ですね~


ミ(`w´)彡 


2007.12.30 Sun 16:28 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

コロンビアの演奏ですが、確かにリマスタリングによって音質が相当ちがうようです。ブラームス1番やモーツァルト36番などは重厚な音がしましたが、この4番はやや薄いように思いました。
とはいえ拙宅の装置ではいかんともしがたいものがありますが(笑)。

コロンビア饗の管楽器はフランス系でしたか。確かに軽やかさを感じる音です。4楽章のファゴットは見事です。
コロンビアの他の演奏も聴きたくなりました。
2007.12.30 16:44

無題 - rudolf2006

吉田さま こんにちは
今日、ブログの更新があるかどうか分かりませんので、一言、ご挨拶まで~

今年も色々な演奏を教えてくださり、本当にありがとうございました。
来年も宜しくお願いいたします~
良い年をお迎えくださいね

ミ(`w´)彡 
2007.12.31 Mon 13:28 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

今年最後の記事をアップしました。
明日までは自宅でゴロゴロしています。
先ほど、街へCDを買いにいきました。
フランクのシンフォニーと、ディアベリ変奏曲です。正月にはちょっと重いですね^^

来年もよろしくお願いいたします。
2007.12.31 15:56

無題 - rudolf2006

追伸です
コロンビアのオーボエ、バスーンは、きっとロス・フィルの名手が演奏しているのではないかなって思っています。木管合奏のCDも発売されています。
2007.12.31 Mon 13:30 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。
コロンビアのオーボエ、バスーンは、ロス・フィルですか。メータの前のロスフィルはほとんど知りませんが、アメリカのオケは上位十数位くらいまで(エリートイレブンなんて言葉がありましたね)優秀ですね。層の厚い国です。
コロンビア、次は田園を聴いてみます。
2007.12.31 15:58
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