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くたくた、ゼルキン、ベートーヴェン"ピアノソナタ31番"

2012.10.12 - ベートーヴェン
bee


ルドルフ・ゼルキン ベートーヴェン選集




資格試験があと1週間に迫ってきた。

思えば、この時期に取る必要があるのか、また、そもそも応用情報技術者資格が欲しいのかどうかもなんだかよくわからなくなってきた。
それは、就職活動のせいである。毎日メールのチェックやら面接やら履歴書への写真の貼り付けなどで大わらわなのである。時間はあるものの、精神的にゆとりがなくなってきている。
なので、この1週間ほどは問題集を開いていない有様。こんなことではイケナイ。

明日からはまた勉強を再開することとしよう(今日は疲れたからやらない)。
で、ゼルキンを聴くのだ。今週は毎日聴いている。


ゼルキンが弾くベートーヴェンだから、悪いわけがない。だから、このボックスに収録されている2つの31番ソナタももちろんいい。たとえようもなく、いい。
次元がすごく高いから、いいとか悪いとかのレベルの議論にはならないが、好き嫌いで言えばどちらだろう。

微妙なところだが、今日の私は後の録音のほうが好きだ。簡潔で力強く、がっしりとしていて堅牢な演奏である。隙がない。
いっぽう、古いほうのものも、同じようなテイストで、はっきり言って録音の塩梅以外は2楽章までほとんど同じふうに聴こえる。終楽章のみ、違いがわかる。ここでは、ほんの少し、遊びを利かせているような感じがする。テンポも若干遅いし、そのせいか緊張力はこころもち緩めなような気がする。意図的なのかもしれないし、そうじゃないかもしれない。録音場所が違うことや、もちろん年代が違うことの影響もたぶんあるのだろう。

いずれにせよ、高次元の話なので、どちらを取ったってなんら問題はない。
明日は、ヴァーモントの録音のほうを気に入るかもしれないナ。



Ⅰ 6:37
Ⅱ 2:10 
Ⅲ 12:41

1960年4月、ヴァーモントでの録音。


Ⅰ 6:28
Ⅱ 2:09 
Ⅲ 11:04

1971年1月、ニューヨークでの録音。






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Comment

31番ソナタは本当に良いですね! - yoshimi

こんにちは。
1960年録音は、ゼルキンが許諾せず、生前はずっとお蔵入りしていた録音です。
1971年の再録の方はゼルキン自身がOKを出して、翌年リリースされてます。

60年録音は、ルバートは最小源に抑え、ソノリティもすっきりして透明感があり、落ち着いた雰囲気がします。
透明感のある繊細で端正な演奏ですね。滲み出てくる情感が清々しくもあり、疲れたときに癒される音楽です。
特に、アリオーソとフーガは、ゆったりしたテンポで淡々とした中に情感が篭もっていて、バッハのようにも聴こえます。
フィナーレは、一転して煌くように堂々していて良いですね。
第2楽章とフィナーレ以外は、ベートーヴェンにしては、力感がやや弱く、端正すぎるところがある気もしますが、4種類(ライブ2種)残っている録音のうち、この60年録音が一番好きな演奏です。

再録の方は、タッチも強くなり表現の起伏も大きくなって、ベートーヴェンらしい力強さがあります。
ゼルキン自身も、演奏に満足していたのでしょう。
2012.10.13 Sat 11:12 URL [ Edit ]

31番ソナタは良すぎますねえ! - 管理人:芳野達司

yoshimiさん、こんにちは。
1960年録音が、お蔵入りでしたか。年代的にはもしかしたら71年のほうがお蔵なのかと思っていました。
71年のほうがどちらかというと締まった感じがします。60年のほうは、終楽章に余裕が感じられ、あたかも達観したかのよう、この記事を書くまではこっちのほうが新しいのかと思っていたのです。
60年のは確かに透明感のある繊細な演奏ですね。情感が清々しいです。
今週は、これらの演奏にホントウに和まされました。

次はいよいよ32を聴いてみます。聴く前から緊張します^^
2012.10.13 17:03

聴き直してみました - yoshimi

こんにちは。
朝晩冷え込んできて、すっかり秋になりましたね。
栗やお芋が美味しいので、お料理やお菓子を作るのが楽しい季節です。

31番ソナタを聴き直してみましたが、60年録音は端正なのところは好きなのですが、第3楽章のアリオーソとフーガの弱々しさは、ベートーヴェンらしさとはちょっと違うかも?という気がしてきました。

71年録音と同年のライブ録音の方は、(アリオーソでも)芯がしっかりして、強弱のコントラストも強くつけているので、全体的にがっしりして力強さがありますね。ほんとに隙がありません。
こちらの方がベートーヴェンらしく思えてきました。
ゼルキンが60年録音をOKせず、再録の方をリリースしたというのも、今では理解できるような気がします。
2012.10.21 Sun 09:03 URL [ Edit ]

ライヴも聴いてみたいですねえ - 管理人:芳野達司

yoshimiこんにちは。
朝晩冷え込んできましたね。今朝はちょっと鼻声です。
先週に今年初めてサンマを食べました。うまかった。

60年録音は確かに第3楽章が弱弱しいかもしれませねえ。自在な演奏ともいえるかもしれませんけれども。
ベートーヴェンらしさと言われると、うーん、かもですね。
71年録音のほうはスッキリしているというか、剛健な感じがします。隙がありません。

いま32番を聴きかけています。というのは、1楽章だけ聴いているからです。なんだか怖いし、もったいないし。
でも1楽章だけでも相当なインパクトがありますね。
2012.10.22 06:53
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