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"芝居問答"、ヤルヴィ、ブルックナー"7番"

2014.09.15 - ブルックナー

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小林秀雄の対話集「直感を磨くもの」から、福田恒有との対話「芝居問答」を読む。

あまり芝居を観ないのでこの対話を面白く読めたかというと正直言ってあまり面白くなかったのだが、ところどころ腑に落ちるというか気になる発言があるので、やはりこの対話集は見逃せない。
福田の以下の話は、太平洋戦争でひとつの文化が分断されたことを示唆する発言ではないかと読める。

「例えば、現代の名優がモリエール劇やラシーヌ劇をやりますね。そうすると、モリエールやラシーヌは、現代の俳優を目当てに書いたものじゃ勿論ないでしょう。その当時の俳優を目当てに書いたんだけど、当時の俳優というものは、その時の生活とか文化を背負っているわけですね。その文化は今日にいたるまで連続していて、今日の俳優でもラシーヌやモリエールをやってのけられるんです。そういうことが、今の日本にはないでしょう」。

もっとも、実際はどうであったかは知らないが。








パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団の演奏でブルックナーの交響曲7番を聴く。

これは、スマートというか洗練されているというか都会的というか、まあなんとも流麗なブルックナーだ。カドをヤスリでもって丁寧にこすりあげて、なんのひっかかりもないツルツルの質感がある。合奏は透明感があり、普段は聴こえない木管楽器の音が聴こえたりする。ティンパニはここぞというところで注意深く慎重に打ちこまれ、品がいい。

テンポはやや遅め。じっくりと弾き上げている。流麗さにおいては、ジュリーニやカラヤンをも上回る演奏である。これほど高度に磨き抜かれたブルックナーを他に知らない。クナッパーツブッシュやシューリヒトはもちろん、レーグナー、あるいはこのオケによるブルックナー演奏の礎を築いたインバルよりもラディカルに神経質と言える。近いのはチェリビダッケ/ミュンヘンかも知れない。

この演奏を「人工的」の一言で済ませてしまうのはたやすい。が、重箱の隅の隅まで目を行き届かせ手入れを行った、大変な演奏であることは疑えない。フランクフルトのオケの技量も高い。

ヤルヴィがこのスタイルでブルックナーを今後やり続けるとしたら、それはそれで興味深い。


2006年11月、フランクフルト、アルテ・オーパーでのライヴ録音。




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雨の桟橋。












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Comment

お邪魔致します。 - michelangelo

こんばんは。

今晩のブログ記事を拝読させて頂きまして、また更にヤルヴィ氏の演奏に関心を持ちました。

シューマン交響曲全集にて語られたインタビューも、大変興味深いものでしたが、貴ブログのご感想を読ませて頂き、本当に聴いてみたくなりました。ブルックナー演奏で、好奇心を掻き立てられたこと、過去に一度もなかったので驚いています。
2014.09.17 Wed 23:28 URL [ Edit ]

ヤルヴィは注目です。 - 管理人:芳野達司

michelangeloさん、こんばんは。

最初にヤルヴィの演奏を聴いたのは、ドイツ・カンマー・フィルとの「英雄」です。ピリオド奏法を取り入れて、とても筋肉質なベートーヴェンだったことが強く印象に残りました。それに対して彼のシューマンやブルックナーはヴィヴラートを効かせた昔ながらのスタイルでやっています。作曲家によって奏法を使い分けるところ、とても器用です。今週は彼のブルックナー5番を聴いています。
2014.09.18 21:41
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