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"文学と人生"、ガヴリリュク、"シャコンヌ"

2014.08.31 - バッハ


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小林秀雄の対話集「直感を磨くもの」から、三好達治との対話「文学と人生」を読む。

この対話は1949年に行われた。終始、和やかな雰囲気で心おきなく好きな事をしゃべっているという印象。この前に収録されている、湯川秀樹との丁丁発止でタフな対話とは異なる。

三好は詩人だから当然話題は詩に及んでいるわけだが、このやりとりは面白い。

三好「支那の詩を読むと、これだけを読んでいて、世界の詩を読む必要を感じない。そんな風に感ずるね。日本の「万葉集」なんというものは、そうはゆかないね。残念ながら貧しいものだ」
小林「違うな」
三好「違う。豊富だからな。御馳走が違う」
小林「食いきれないよ」

マーラーはそこに惹かれたか。読んでみたくなる。








ガヴリリュクのピアノでバッハ(ブゾーニ編曲)の「シャコンヌ」を聴く。

ブゾーニはピアニストや作曲家としての立場に加えて、バッハやベートーヴェンの作品のピアノ編曲に情熱を注いだ音楽家だ。なかでも、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ2番の「シャコンヌ」の編曲は有名だ。いまでは世界中の多くのピアニストがこれを弾いている。

最初のニ短調の部分は半ばくらいになると、ヴァイオリンで演奏したものとは様相がガラリと変わってきて、あたかもピアノのために作られた音楽と思わずにいられない。
中間部のニ長調は、陽だまりにどっぷり浸かったような和やかさがある。人生はいつもこんな調子だったらいいのに。
ラストのニ短調は、背後から忍び寄る。人生は甘くない。でも生きろ。バッハはそう語っているように思える。

ガヴリリュクというピアニストを初めて聴いた。技巧の確かさとバランスの良さを併せ持った、いいピアニストじゃないかと思う。彼の目線は、バッハ(ブゾーニ)の、けっこう深いところにまで行き届いていると感じた。


2003年6月、横浜みなとみらいホールでの録音。




冷やし中華とツイッター始めました!




ma


帰宅の時間。










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