忍者ブログ

ブーレーズ、ニューヨーク・フィル、"火の鳥"(1910年原典版)

2020.10.17 - ストラヴィンスキー

gr



ブーレーズ指揮ニューヨーク・フィルの演奏で、ストラヴィンスキーの「火の鳥」(1910年原典版)を再び聴きました(1975年1月、ニューヨーク、マンハッタン・センターでの録音)。

「火の鳥」は全曲に限る。なぜなら、「火の鳥の魔法にかかったカスチェイの手下たちの踊り」から「カスチェイの凶悪な踊り」にかけてが大きな山場だと思うから。乱舞するマリンバを始め、登場する楽器がこぞって躍動し劇的効果を上げていて、手に汗を握らないではいられません。「手下たちの踊り」は組曲版では省略されているので、これを味わうことができないワケですね。
チャイコフスキーのバレエ音楽もそうだけど、全曲を演奏会用の組曲にまとめることは苦肉の策だろうし、ある意味妥協の産物なのだろうと推察します。

ブーレーズは後年にシカゴ交響楽団と「火の鳥」全曲を再録音しています。これは、港区あたりにそびえ立つ超高層ビルのような威容を感じる演奏。スマートだし、技術的な面ではツッコミどころが見当たらない。でも、面白さではニューヨークを取りたいと思います。音がいい意味でささくれ立っていて、はちきれんばかりの生命力に溢れている。火の鳥もカスチェイも、眼前で踊っているよう。林檎と戯れる王女のシーンは、スピード感に溢れていて気持ちがいい。オケはとても巧いし、個人技に秀でてもいる。

この曲の名録音のひとつだと思います。





















PR
   Comment(0)    ▲ENTRY-TOP

Comment

コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー