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ヴンダーリヒのシューベルト「美しき水車小屋の娘」

2007.11.25 - シューベルト
Schubert

シューベルト 「美しき水車小屋の娘」 ヴンダーリヒ(T) シュトルツェ(Pf)


ヴンダーリヒの「水車小屋」は、DGの録音が有名で、これを昔から愛聴していた。
最近にオイロディスクから再発売されたのが、紹介の盤。短命だったヴンダーリヒがこの曲を2回も録音していたのは知らなかった。
1曲目「さすらい」から、いつもの素晴らしい美声と的確な音程に魅せられる。
1957年の録音だから彼が27歳ぐらいのときのもの。DG盤よりも8年前の演奏になるが、この頃にすでに解釈は固まっているようで、テンポや表情などかなり似ている。歌について違いを言うならば、こちらの録音のほうが、やや直線的かもしれない。
少し気弱で世間を知らない若者の、恋への希望と煮え切らなさと失望を、同世代の歌手がリリカルにあますところなく描ききっている。
全曲に渡ってむらのない安定した歌であり、身も心もまかせてどっぷりと演奏にひたることができる。
この録音で特筆したいのは、ピアノがいいことだ。
前に出過ぎることなく、かといって陰に隠れもしない中庸な演奏。地道に伴奏に徹していて、絶妙なスパイスとなって料理の味をぐんと引き立てている。DG盤も素晴らしい演奏だが、ギーゼンに覇気がないのが唯一の欠点で、この盤ではそれが解消されている。ピアノはクルト・ハインツ・シュトルツェ。

ライナー・ノーツは、小山晃。過度な思い入れが最高だ。1曲ごとに解説があるが、その青春ぶりは、笑えて泣ける。
ひとつ紹介する。
『涙の雨:ようやく彼女とデートがかなう。小川の岸の2人。彼は水鏡に写る彼女の目を見ている。雨が降り始めた。けど彼女には男のロマンがわからない。孤独感が湧く。』
小山の評論を昔から気にしていたが、やはり普通でない。リートは喜多尾とこの人にまかせた。
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