忍者ブログ

カラヤンのシベリウス「交響曲第5番」

2008.11.23 - シベリウス

sibelius

シベリウス 交響曲第4番5番 カラヤン指揮ベルリン・フィル


大前研一の「50代からの選択」を読む。
大実業家の多くは、だいたい20代で起業をし、30代で会社の基礎固めをするという。
30代で基礎が固まるのは勤め人も同じで、この頃には上へ上がってゆくヒトと横へ出されるヒトとの峻別はそろそろ決まっているのだと。
なので、40代50代のヒトはそこそこやっていればいいんじゃないの、と著者は言っている。
『会社はオレに25年以上も仕事を与え続けてくれた。給料をくれるわりには評価してもらえなかったし、とくに優遇された覚えもない。どちらかと言えば冷遇されてきたような気がするけれども、とりあえずクビにされることもなく、ここまでやってこられた。これがいかにラッキーなことか。もう、感謝、感謝、無限の感謝を会社に捧げるべきなのだ』。
たいした能力もないくせに、会社がオレを認めてくれない、などとグチャグチャ文句を言ってはならないヨ、と。



たまにシベリウスの交響曲を聴きたくなる。
彼の音楽は、あまりとっつきやすい音楽ではないような気がする。とくに、遅いテンポの楽章では、ひとつのフレーズがどこで始まってどこで終わっているのか、なんだか判然としないのだ。
動機というか旋律の息の長さにおいては、ブルックナーも負けていないが、ブルックナーのほうは明確でわかりやすい。このあたりは時代と国柄と人柄の違いによるものなのかもしれない。
お互い、晩年の髪型は似ているが。
それはともかく、シベリウスを苦手としながらも聴きたくなるのは、独特のひんやりとした肌触りの音響に触れたくなるからだ。
この5番は、シベリウスの交響曲のなかではわかりやすいほうだと思う。
ひんやりとした佇まいのなかに、暖かい日差しが随所に差し込んでいる。
何も考えず、音のうねりに身を任せるのがいい。
カラヤンとベルリン・フィルの響きは、どちらかといえば温度が高いもの。録音は柔らかい。


1976年9月、ベルリンでの録音。

PR
   Comment(2)   TrackBack()    ▲ENTRY-TOP

Comment

無題 - mozart1889

こんばんは。
カラヤンのシベリウス、イイですねえ。4番と5番の2枚組LPで愛聴しています。特に5番は美しい演奏で、第1楽章の白鳥の鳴き声のテーマなど、涙がこぼれます。こういう演奏を聴くと、1970年代こそカラヤン&BPOの全盛期だったんだろうなぁと思うのです。

仕事があって、給料がもらえて、CDが聴けて、しかもそのCDが今や激安で入手できる・・・・・ああ、感謝感謝、ひたすらワタクシも感謝であります。
2008.11.23 Sun 19:05 URL [ Edit ]

Re:mozart1889さん、こんばんは。 - 管理人:芳野達司

コメントありがとうございます。

普段はあまり聴かないのですが、シベリウスの交響曲、たまに聴くといいですね。
第1楽章のあれは、白鳥の鳴き声なのですか。あれで引き込まれます。ベルリン・フィルは見事なもので、隙がありません。

>1970年代こそカラヤン&BPOの全盛期だったんだろうなぁと思うのです。
同感です。あんなに録音が多いのに、手抜きがありません。大変なことだと思います。

最近は、激安CDばかり聴いています。
2008.11.24 17:36

カラヤンのシベリウス - narkejp

カラヤンは、シベリウスの交響曲にご執心だったようですね。レッグの本にも、大戦後の録音のオファーに対して、シベリウスを提案したことが載っていました。この五番の交響曲は、前の四番とは対照的に明るく祝祭的で、お気に入りです。カラヤンとベルリンフィルにふさわしい曲かも、ですね。
2011.09.18 Sun 07:20 URL [ Edit ]

カラヤンの5番 - 管理人:芳野達司

narkejpさん、トラックバックをありがとうございます。
大戦後の録音のオファーというと、フィルハーモニアとの一連の録音ですね。ステレオでいくつか残されていますが、同時代人としての義務以上の思い入れがありそうです。
カラヤンは4番も素晴らしいですが、5番はまた格別なものがあります。ベルリン・フィルの重厚さには5番のほうがよいかなー、と思います。
2011.09.18 21:14
コメントタイトル:
投稿者名:
Mail:
URL:
投稿内容:
Password: ※1
Secret: 管理者にだけ表示を許可する※2
※1 パスワードを設定するとご自分が投稿した記事を編集することができます。
※2 チェックを入れると管理者のみが見ることのできるメッセージが送れます。

TrackBack

この記事へのトラックバック
TrackBackURL
  →
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
カッチェン、フロマン、ブラームス"ピアノ協奏曲2番" from:Yoshimi
-11/16(Thu) -
フルニエ、フィルクスニー、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-03/18(Sat) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:老究の散策クラシック限定篇
-02/20(Mon) -
ゼルキン、オーマンディ、ブラームス"1番" from:“スケルツォ倶楽部”発起人
-02/20(Mon) -
古典四重奏団、ベートーヴェン、15,13"大フーガ" from:老究の散策クラシック限定篇
-10/30(Sun) -
最新TB
カテゴリー