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プロ野球解説者の嘘、スタインバーグ、惑星

2011.05.28 - ホルスト
  
ho

ホルスト「惑星」 ウィリアム・スタインバーグ指揮ボストン交響楽団


小野俊哉の「プロ野球解説者の嘘」を読む。
解説者に対する苦言はまえがきだけで、本編はプロ野球の関するデータをひたすら開陳する。どれも面白かったが、なかから「4割バッターは誕生するか」の章を少し紹介。
ここで著者は、独自の指標を用いてメジャーで過去に達成したバッターを分析する。それによると、分母つまり打数が少ないほうが高打率を稼げるとのこと。当たり前といえば当たり前だが、ここから意外な事実が浮かび上がる。それは、最近もっとも4割に近づいたのは、2004年のボンズだということ。
敬遠120個を含む四死球が232個(!)であったことから打数は373にまで圧縮され、135安打を打って打率は.362。これだけだとそれほど高い数値ではないが、あと15本打てば4割に届いたという計算だ。
同じ年にアメリカン・リーグのイチローが史上最多の安打を放っているが、実はボンズのほうが近かったというのはなんだか皮肉である。でも、お互い目指す方向が違うわけだからこれもヨシ。


ホルストの「惑星」をスタインバーグの指揮で。
速めのテンポでぐいぐいと押していく火星がいい。アクセントに特徴があって、やられてみると納得の味付けだ。トランペットがいくぶん荒い気がしなくもないが、流れは損なっていない。
以降の各「惑星」は全体的にとても精妙な演奏。響きはおおむね軽め。キンキンに冷えたコーラをざらついた氷たっぷりのコップに注ぎ込んだような泡立ちの快感に加えて、手相を虫眼鏡で眺めてみたときの、筋が一本一本リアルに浮き上がってくるようなきめ細かさも持ち合わせている。
ボールト/ロンドン・フィルやマリナー、マゼール、ショルティなどの録音が立て続けに出たのは、70年代後半から80年代始めの頃。ちょっとしたブームだったわけで、本演奏はそれより少し前のもの。だから、聴く前はいささか古いのかなとの印象を持っていたが、とんでもなかった。
数ある録音のなかで、このスタインバーグ盤を第一に推しても後悔はないかも。録音もシャープで素晴らしい。
合唱は、ニュー・イングランド音楽院合唱団。

1970年、ボストンでの録音。
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Comment

こんにちは〜 - rudolf2006

吉田さま こんにちは

台風が近づいていますね〜
自然の力は人知の及ぶところではありませんね〜

野球本、色々と読まれていますね〜
面白そうですね〜
確かに4割打者を出すには打数が減ることが一番大事なんでしょうね〜。それと、アメリカではやはり単打よりも、大きなものが一番期待されている感じがしますね〜。
イチローよりも松井の方が扱いが大きいような気もします。

確かスタインバーグ・ボストンの演奏では、ブルックナーの6番を聴いたことがあるように思うんですよ、これは素晴らしい演奏であったような〜。
ホルストの「惑星」面白い曲ですが、あまり聴きません
お薦めのようですし、一度聴いてみたいと〜

▼・。・▼
2011.05.29 Sun 12:34 URL [ Edit ]

Re:rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

台風、近づいていますねー。埼玉も連日の雨です。明日にはこちらに来るようです。

ボンズは2001年に72本のホームランを打ったことで、それ以降まともに勝負してくれなくなり、四死球が異常に増えていき、結果的に打数が少なくなったようです。
確かに、アメリカでは一発のほうが魅力なのでしょう。
そろそろ、松井の調子が上がってくれるといいのですが。

スタインバーグのブルックナーがあるのですね。あまり聴いてこなかった指揮者なのですが、いままで聴いた「惑星」のなかでは気に入りました。これを聴くと、ボストンとの相性はよいように思います。この人が首席であったら、面白いことになっていたかも?
2011.05.29 17:40

名演奏と思います - mozart1889

おはようございます。「キンキンに冷えたコーラをざらついた氷たっぷりのコップに注ぎ込んだような」・・・・まさに言い得て妙です。この演奏は、スカッとしたところがエエですね。
DGには、「惑星」がポピュラーになった70年代当時はスタインバーグ盤しかなくて、その後カラヤン/BPOやレヴァイン/CSO盤が出ました。
スタインバーグ盤は、LPの廉価盤で聴いていました。懐かしい1300円盤でした。
2011.06.26 Sun 05:11 URL [ Edit ]

mozart1889さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

そうそう、スタインバーグ盤は、DGにおいてはカラヤン/BPOやレヴァイン/CSO盤に先行していますね。後者は以前に聴いているのですが、スタインバーグは初めてでした。
あまりのよさに参りました!
2011.06.26 18:07
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