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ド・ビリーのモーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」

2009.09.12 - モーツァルト

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モーツァルト「コジ・ファン・トゥッテ」 ド・ビリー指揮ウイーン放送饗


岬龍一郎編訳「超訳論語」を読む。
孔子は四大聖人のひとりであるから神がかり的な人物であることを想像するが、なかには人間くさいエピソードもある。

ある弟子が穀物の栽培方法を孔子に尋ねる。しかし孔子が上手ではないから教えられないと断ると、弟子は不満げな顔で出て行ってしまった。弟子が退室したあと、孔子の怒りが爆発する。
「あの男はなんたる愚か者か。上に立つ者が誠に礼を重んずれば、下の者は尊敬する。上に立つものが誠に義を重んずれば、下の者はそれに服従する。上に立つ者が誠に信を重んずれば、下の者は欺くことなくそれに応じる。このような教えを学べば、どのような民も赤ん坊をおんぶしながらも自分の道をまっとうする。どうして私が農業まで教える必要があろうか。樊遅(弟子)は君子が学ぶべき学問がわかっていない」。
確かに的外れの質問かもしれないが、そんなに怒ることだろうか。しかも、本人に向かってではなく第三者に向けての愚痴と見受けられる。赤ん坊うんぬんのあたりは何を言っているのかよくわからないし。このエピソードに限れば孔子は聖人というよりは、そのへんのオッサンとあまり変わらないように見受けられる。
愉快だ。


ド・ビリーによるモーツァルト。
冒頭の和音が短く刈り込まれていて強烈。ピリオド奏法による演奏かと思いつつ聴き進んでゆき、やがて幕にはいると、そうでもないようにも思えてくる。耳が慣れるためなのか、意図的なものなのか、もしくは歌手の声がはいることで紛れるからか。
同じ指揮者の「フィガロ」やクイケンの「コジ」を聴いた印象もそうだったので、歌が入ると紛れる、というのが真相かもしれない。
歌手はおしなべて中くらい。突出した歌唱は見当たらないが、全体に調和がとれている。
歌手がオケに溶け込んでいるか、あるいはオケが歌手に溶け込んでいるか、どちらなのか微妙であるが、バランス感覚がすぐれていることは確かだ。
全体的にはオケの弦がいいように思う。ザクザクとした木目調の暖かい響きが堪能できる。ウイーン放送交響楽団を聴くのはもしかしたら初めてかもしれない。ドイツ、オーストリアのオーケストラの層は厚い。
ライナー・ノーツにはオケの団員のリストが載せられているにも関わらず、配役は記載されていない。不思議だが、こういうものだと思えば不満はない。

レジーナ・シェールグ
ハイディ・ブルンナー
ビルギッド・スタインバーガー
ジェフリー・フランシス
マーティン・ガントナー
クワンチュル・ユン
ウィーン・コンツェルト合唱団
ウィーン声楽アカデミー団員
ウィーン放送交響楽団
ベルトラン・ド・ビリー(指揮)

2001年2~3月、オーストリア、ゼンデザールでの録音。
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