忍者ブログ

選択したカテゴリの記事一覧

"恋するザムザ"、アンスネス、モーツァルト"17番"

2013.09.23 - モーツァルト

ma



村上春樹の「恋するザムザ」を読む。

これは、人間の姿に戻ったザムザが、せむし女に恋をする話。
私はカフカの「変身」を、人間性の喪失の物語と解釈しているが、この小説はザムザが人間性を回復する物語と読むことができる。
男の生命力の象徴(どっかのコマーシャルみたい)である「勃起」を通じて、ザムザはぬくもりのある人生に目を開いてゆく。










アンスネスの弾き振りで、モーツァルトのピアノ協奏曲17番を聴く。

オーケストラの序奏にピアノをからめるところは、グルダのスタイルを思いおこさせる。この序奏からオーケストラが素晴らしい。小編成と思われ、速めのテンポですっきりと切れ味がいい。細かなニュアンスが洒落ていて気がきいている。
やがてピアノソロが入ると、ここでもハッとさせられる。艶のある丸い音は粒立ちがよく、しかも流れがよい。自然で明るく、音楽を演奏する喜びに満ちている。聴く方ももちろん。こんなに楽しい演奏もそうそうない。
それにしてもファゴットのオブリガードのセンスのいいこと!

2楽章においても、ピアノ、オケともども冴えわたる。フルートとファゴットとピアノの掛け合いは幻想的。透明感のあるピアノの響きは存在感がある。

終楽章は快速で駆け抜ける。スピード感が気持ちいい。速いだけではなく、各パートはそれぞれよく鳴っているし、ピアノは陰影をつけているから、とても多層的だ。
モーツァルトのアレグロ(正確にはこの楽章はアレグレットの記載であるが)の愉悦を心ゆくまで堪能できる。

それにしてもアンスネスの指揮は、余技を超えている。やがて指揮者に転向、なんてことにならなければよいのだが。




レイフ・オヴェ・アンスネス(ピアノ、指揮)
ノルウェー室内管弦楽団



2007年3月、オシオ、ジャー教会での録音。













ma



またまたスワン河。















PR
   Comment(0)    ▲ENTRY-TOP
カレンダー
05 2025/06 07
S M T W T F S
1 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30
ポチっとお願いします(´_`\)  ↓ ↓ ↓
最新コメント
河野真有美、Fantastico from:Yoshimi
-05/21(Wed) -
ポペルカ、バボラーク、NHK交響楽団 from:老究の散策クラシック限定篇
-02/23(Sun) -
ポペルカ、バボラーク、NHK交響楽団 from:老究の散策クラシック限定篇
-02/16(Sun) -
ポペルカ、バボラーク、NHK交響楽団 from:老究の散策クラシック限定篇
-02/16(Sun) -
ポペルカ、バボラーク、NHK交響楽団 from:名無し
-02/16(Sun) -
最新TB
カテゴリー