振り返ると、今年は新規に聴いた演奏が少なく、いままでLPで聴いてきたものや学生時代に図書館で聴いた演奏を買い直したケースが多かったことがわかった。ジュリーニ・ロサンゼルスやパールマンなんかがそうだ。それらは改めて聴いても色褪せない演奏ばかりで、それはそれでいいものだが、ここでは今年に初めて聴いたCDを、無理やり10点あげてみる。
・ヴェルディ「ファルスタッフ」 トスカニーニ指揮NBC交響楽団、他
「完璧への情熱」が爆発。腰が抜けそうになった。
・ベートーヴェン「弦楽四重奏曲第14番」 ズスケ四重奏団
アンサンブルの密度の濃さと、毅然とした佇まいが絶品。
・チャイコフスキー「白鳥の湖」 フィストゥラーリ指揮アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
不満なのは全曲ではないことだけ。オーケストラ芸術の最高峰といいたい。
・ストラヴィンスキー「春の祭典」 スイトナー指揮ドレスデン国立歌劇場管弦楽団
「ハルサイ」の決定盤にしてもいい。
・シューベルト「ピアノ・ソナタ第20番」 アンスネス(ピアノ)
今年、一番多く聴いたCD。夜の友。
・ベルリオーズ「幻想交響曲」 ミュンシュ指揮パリ管弦楽団
爆裂のなかにキラリと理性が光る。
・シューマン「チェロ協奏曲」 ジャンドロン(チェロ) アンセルメ指揮スイス・ロマンド管弦楽団
シューマンの霊感が色濃い。独奏、オケともども品がいい。
・モーツァルト「ピアノ・ソナタ第8番」 ブレンデル(ピアノ)
ブレンデルの重厚なピアノから、淡々とした悲しさが紡ぎあげられる。
・ハイドン「交響曲第82番"熊"」 バーンスタイン指揮ニューヨーク・フィル
このコンビのなかで、ハイドンは最大の遺産のひとつであることを確信した。
・ベートーヴェン「交響曲第3番"英雄"」 オーマンディ指揮フィラデルフィア管弦楽団
ふくよかで輝かしい。これに味をしめたら、最近の演奏は貧相でしょうがない。
10点はやはり無理やりだ。
他に、マゼールとウイーン・フィルの"悲愴"、アンセルメとスイス・ロマンドのシューマン2番、カサッツァのヴィヴァルディ「8つの荘厳な協奏曲」、オーマンディとフィラデルフィアのブラームス、ドラティとデトロイトのシュトラウス「ドン・ファン」、プレヴィンとロンドンのベルリオーズ「レクイエム」、マゼールとベルリン・ドイツ・オペラの「トスカ」、捨てがたい。
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フィストゥラ-リとスイトナーは2010年のオドロキでした。コンセルトヘボウはともかく、ドレスデンにこんなパワーがあったとは。スイトナーというとベートーヴェンとかモーツァルトという偏見があったのに違いないのですが。
今年もバーンスタインを聴きます。あと半分くらいです。
バーンスタインブルックナー9は、nypo・vpoどちらも聴いたことがありませんでした。1楽章で急にアッチェレランドをかけるところ、ああいうのは初めて聴きました。クナとは全然違うけれども、これもまたユニークな演奏だと思います。
そうそう、UNO氏です。ブルックナーを聴くと、条件反射みたいに思い出します。