フルニエのチェロ、フィルクスニーのピアノで、ブラームスのチェロソナタ1番を聴きました(1965年9月、ベルリンでの録音)。
ふたりとも好きなソリスト。なのにこの演奏の存在を最近まで知りませんでした。聴かないわけにはいかないじゃないか、ということで久しぶりにTOWERを利用して購入。
この曲はブラームスの30代前半の作品ということもあり、ピアノソナタほどではなくても、わりといきり立っている印象があります。いままで聴いたロストロポーヴィチやマの演奏がそうだった記憶があるので。
フルニエのチェロは、絹のネクタイのようにしなやかで、大声で叫ぶようなところは見当たらない。とくに、2楽章のアレグレットに顕著で、ひとつひとつの音符を丁寧にかつ、さりげなく弾いているように感じます。
フィルクスニーの粒立ちのいいピアノもまた、この演奏を軽やかにしているよう。
芳香が立ち昇るような演奏だと思います。
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