今日は仕事納め。
今年は納会がなかったせいもあり、半ドン。なんだか、すごく得をした気分だ。泡のような、ささやかなヨロコビ。
さて、年末恒例のベスト10。今年初めて読んだ本のなかから特に印象に残るものを、無理やり10冊選んだ。
・「ロング・グッドバイ」 レイモンド・チャンドラー(村上春樹訳)
冴えない女についての例えに、トスカニーニとヒンデミットが登場するところ秀逸。
・「フロスト気質」 R・D・ウィングフィールド(芹澤恵訳)
・「レディー・ジョーカー」 高村薫
いままで読んだ警察小説のなかで、この2作は出色だと思う。両方とも長い。長いところがまたいい。
・「青梅雨」 永井龍男
一家心中するところを、朝起きて顔を洗う場面みたいに描写する。情緒が深すぎる。
・「最後の一球」 島田荘司
推理小説の服を着た野球小説。面白かった。
・「ひなびたごちそう」 島田雅彦
大根の皮を捨ててはいけないことを、この本で学んだ。
・「アーロン収容所」 会田雄次
収容所が怖いのは、それが社会の縮図だからじゃないか。
・「心がフッと軽くなる『瞬間の心理学』」 名越康文
いいメンタル本は少ないが、これは参考になる。
・「飆風」 車谷長吉
車谷は現代の太宰治だと思う。
・「プールサイド小景」 庄野潤三
サラリーマンの悲哀が、じつに端的に描かれている。
やはり無理やりだ。
他に、高橋秀実の「トラウマの国ニッポン」、チェーホフ(浦雅春訳)の「馬のような名字」、万城目学「かのこちゃんとマドレーヌ夫人」、テリー伊藤の「なぜ日本人は落合博満が嫌いか?」、小林秀雄と岡潔の「人間の建設」、甲野善紀と内田樹の「身体を通して時代を読む」、湊かなえの「告白」、丸谷才一・鹿島茂・三浦雅士の「文学全集を立ちあげる」、佐藤優の「インテリジェンス人間論」、稲森和夫の「ど真剣に生きる」、白洲次郎の「プリンシプルのない日本」、池田清彦と養老孟司の「ほんとうの環境問題」、勢古浩爾の「ビジネス書大バカ事典」、大前研一の「サラリーマン再起動マニュアル」、捨てがたい。
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