R.シュトラウス:管弦楽作品集 マゼール指揮 ニューヨーク・フィルツツジは、文京区の区花。
子供のころは蜜をよく吸っていた。
いまもそういう風景をたまに見かける。微笑ましい。
大事な人の好きな色。
マゼールの指揮でR・シュトラウスの「死と変容」を聴く。
私の知る限り、マゼールはこの曲をクリーヴランド管、バイエルン放送響、そしてこのニューヨーク・フィルとで3回録音を行っている。このニューヨーク盤はつぎはぎだろうけど、一応ライヴ。
録音の鮮烈なところと、ホールの適度なデッド感が、音響の透明度を高めている。
バイエルンはともかく、クリーヴランド管はわりと乾いた音を出すオケだが、録音の加減のせいか、意外にしっとりとしている。このニューヨーク盤のほうがスッキリとした味わいがあるようだ。
ハープの伴奏に乗って、オーボエとフルート、ヴァイオリン・ソロが奏でるあたりはいままでに聴いたことがないほどに明快。実際にホールの客席に座って、目の前で演奏しているような生々しさがある。
主部に入るとブラスが炸裂するわけだが、ここはなかなか強烈。ニューヨーク・フィルのトロンボーン、チューバの威力が爆発している。ドスのきいた音色を醸し出していて、気持ちのいい鳴りっぷりだ。
全体を通して、ニューヨーク・フィルというややひんやりとした楽器を、マゼールが手慣れた指揮で抜群にうまくドライヴしているといった印象。明るい陽の光に晒されたR・シュトラウスである。
2005年9-10月、ニューヨーク、エイヴリー・フィッシャー・ホールでのライヴ録音。
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