高関健指揮、東京シティ・フィルの演奏会に足を運びました(2018年7月28日、ティアラこうとうにて)。
マルタン:7つの管楽器とティンパニ、弦楽のための協奏曲
マーラー:交響曲第4番(ソプラノ 幸田浩子)
マルタンのソリストは、このオーケストラの首席奏者を中心とした顔ぶれ。
普段は奥に鎮座しているティンパニと管楽器たちが指揮者の真ん前に陣取るという図、視覚的にも楽しめました。音楽はといえば、速い両端楽章よりも2楽章アダージェットが面白かった。どの管楽器も雄弁でしたが、とりわけファゴットとトロンボーン。哀感漂っていて、とても味わい深いものがありました。ふうわりと琴線に触れるものがあった。
マーラーでの高関さんは管楽器と打楽器を強く浮き立たせてアグレッシブでパンチの効いた音楽を作り上げていました。細かくテンポと強弱を変化させ、臨場感もたっぷり。くだんの、3楽章の爆発のシーンでは背筋が痺れました。
幸田さんは4楽章の開始直後にそうっと登場。絹糸のように細く、かつ冬の三日月のように怜悧なのに、不思議と肉感的な声。それはこの曲に求められがちな甘いメルヘンの枠を超えて、凛とした知性でもってマーラーを読み解くような鮮烈さがありました。とても後味がよかった。
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