高関健指揮 群馬交響楽団の演奏会に足を運びました(2021年8月23日、東京オペラシティ・コンサートホールにて)。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲5番「皇帝」 ピアノ:仲道郁代
R・コルサコフ 「シェエラザード」
どちらも大変、質の高い演奏。
前半の仲道さんは、天空に広がる星屑のような音を惜しげもなくまき散らし、それは音響だけでも大変なご馳走でした。
でも、それだけじゃなかった。全体を通して、生命の弾みのように収縮するテンポ。ときには燕のように速く、ときには陽だまりのようにじっくりと奏で、自然でかつ精妙な抑揚をつけていました。
これほどの「皇帝」は、なかなか聴けないのじゃないかな。
オーケストラはティンパニを強調していて、こちらも面白かった。
ピアノはヤマハ。なんて輝かしい音!
後半は各楽器の名技の競い合い。ヴァイオリン、チェロ、ファゴット、クラリネット、フルート、トロンボーン、ホルン、ハープ。どれも1級品で、在京のオケに勝るとも劣らない。
高関さんはここぞという聴かせどころで、強弱の変化をつけていましたが、どれもしっくりきました。特にうまくいったのは2、3楽章だと思います。
色彩感、マッシブな迫力という点で、こちらも他ではなかなか聴けない稀有な演奏だと思います。
ただ、できれば4楽章の小太鼓はもっと粒だっていてほしかった。贅沢を言うのはこれだけです。
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