東京二期会によるベルク「ルル」公演に足を運びました(2021年8月29日、新宿文化センター大ホールにて)。
演出は、登場人物の動きがハッキリとわかる明快さがありつつ、原色を多用した色彩はアバンギャルドな味を出しているものでした。衣装は現在のファッションショーにあるようなものを軸にしていて楽しめました。欲を言えば、ルルはもう少しエロい服装のほうがよかったかな。
歌いぶりもよかったと思います。シェーンは二期会の重鎮?らしく隙がなかったし、ルルも退廃的と言える雰囲気を濃厚に醸し出していて素敵。
パスカル率いるオーケストラは、万全の体勢でした。ここ数年、東京フィルが演奏するオペラを聴いてきて、いつも感銘を受けてきましたが、それはこの公演でも期待通り。
何年か前に、オーケストラ・コンサートで「ルル組曲」を聴いてあまり面白くなかった記憶がありましたが、本公演でのオーケストラは滅法面白かった。なので、組曲は別物と捉えています。
ルル:冨平安希子
ゲシュヴィッツ伯爵令嬢:川合ひとみ
劇場の衣裳係、ギムナジウムの学生:杉山由紀
医事顧問:加賀清孝
画家:大川信之
シェーン博士:小森輝彦
アルヴァ:山本耕平
シゴルヒ:狩野賢一
猛獣使い、力業師:小林啓倫
公爵、従僕:高柳 圭
劇場支配人:倉本晋児
ソロダンサー:中村 蓉
指揮:マキシム・パスカル
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
演出:カロリーネ・グルーバー
装置:ロイ・スパーン
衣裳:メヒトヒルト・ザイペル
照明:喜多村 貴
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