新宿区民オペラによるヴェルディ「トロヴァトーレ」公演に足を運びました(2021年9月5日、新宿文化センター大ホールにて)。
この日もっとも感銘を受けたのは、オーケストラに対して。
どのセクションも高い技量でもって細やかにして雄弁に音楽を奏でていました。めだった瑕疵は少ない、というよりもほぼ見当たりませんでした。
ここのオーケストラ、5,6年前は正直言って途中で聴くのをやめたくなるほどのものだったけれど、最近は急速に腕を上げてきています。よくある「アマチュアとは思えない」という常套句を使いたくなるほど。
歌手も総じて素晴らしかった。
レオノーラは大柄で重厚、あたかもブリュンヒルデを思わせるような声だったけど、高音の伸びが精緻で透明感があり、今をときめく大隅智佳子さんを彷彿とさせました。
マンリーコもよかった。声はテノールにしては重心が低く、どっしりとした歌いまわしは安定しており、3幕最後のハイCは見事に決めて会場を盛り上げました。
演出はコンサート形式によるものでしたが、衣装は本格的であり、舞台は広めにとってあるので立ち回りなどの動きもあり、不満はありませんでした。
ルーナ伯爵:飯塚学
レオノーラ:福田祥子
アズチェーナ:松原広美
マンリーコ:小野弘靖
イネス:窪瑤子
フェランド:川村貢一郎
ルイズ:飯沼友規
指揮:米津俊広
管弦楽:新宿オペラ管弦楽団
演出:園江治
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