飯守泰次郎指揮、新交響楽団のコンサートに足を運びました(2020年1月19日、東京芸術芸術にて)。
モーツァルト 『魔笛』序曲
ハイドン 交響曲104番『ロンドン』
チャイコフスキー 交響曲6番『悲愴』
コントラバス9名を擁する、厚みたっぷりの魔笛序曲を経たのちは、ハイドンの傑作シンフォニー。
叩いても揺るがないような造形。そして豊穣なメロディは太陽のように輝かしく、ときには北国の湖のような深みを持つ。交響曲という形式に於いて、これほど完成された音楽はそう多くはないのじゃないか。
それにも関わらずハイドンを聴く機会をもとうとしないのは、私には知的すぎるから(笑)。
それに比べると、チャイコフスキーを聴く機会は多くて、昨秋からオペラ、バレエ、交響曲、協奏曲、管弦楽曲と聴いている。なかでは後期のシンフォニーはいささか食傷気味なのだけど、この日も『悲愴』。この3、4年で2回聴く機会があり、いずれも期待ハズレだった。難しい曲でもあるのかな。
飯守さんのチャイコフスキーは、3楽章に頂点を置いていて、常套手段とも言える設計だったのだけど、切れ味より重さを重視したものであり、分厚い音の塊がずっしりと腹に響いた。これは作曲家の情念なのか。体に染み込むような音楽だった。グランカッサの乾いた打撃は、たっぷりドスが効いていて素晴らしかったな。
飯守さんを聴くのはこれで3,4回目になるのだけど、重厚な節回しが有機的に生き生きと息づいていたのは、この日が一番だったように思う。
この日のアンコールはなし。ブラボー。アンコールは苦手なのだ。飲み屋に遅れちゃうから(笑)
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