ルイージ指揮NHK交響楽団の演奏会に足を運びました(2020年1月25日、オーチャードホールにて)。
ウェーバー『オイリアンテ』序曲
R・シュトラウス『4つの最後の歌』
ソプラノ:オポライス
R・シュトラウス『英雄の生涯』
ヴァイオリン:キュッヘル
オポライスを目当てにチケットを購入しました。
彼女を聴くのは、一昨年のローマ歌劇場以来。マノン・レスコーでは可憐な歌を聴かせる印象があったから今日もそういうことになるだろうと予想したが、外れました。
この日は豪奢にして剛直。その歌声は比較的大編成のオケの音響をはるかに飛び越えて耳にハッキリと届きました。その音量に加え、ザラリとした肌触りの声は、この曲から滲み出る諦念というよりは、ヤル気まんまん壮年期の力強さを感じさせました。
この曲の愛聴盤はヤノヴィッツなのだけど、ああいう透明感のある歌に慣れた耳には違和感を覚えたな。
英雄の生涯はよかった。一言で言えば、角の取れた、まろやかな演奏。弦も木管も金管・打楽器も、オーチャードの柔らかな響き(このホール、芳しくない評判をよく聴くけど、私が聴いたときはいつもいい音で鳴る)に溶け込んで滋味深い味わいを醸し出していました。キュッヘルのコクのあるソロも聴きごたえあったかと。
とは言え、この曲はいささか苦手なので、後半はうつらうつらしてしまいました(笑)。
PR