藤岡幸夫指揮 群馬交響楽団(ヴァイオリン 神尾真由子)の東京公演に足を運びました(2022年3月6日、すみだトリフォニーホールにて)。
ヴォーン・ウィリアムス:劇音楽「すずめばち」序曲
ウォルトン:ヴァイオリン協奏曲
エルガー:エニグマ変奏曲
いままでに群響を何度か聴いていますが、相変わらず上手い。そして、響きに人肌のような温かみがあって、それがスッと体に染み込んでいくようで、安心するのです。
それを如実に感じたのは、エルガー。
この曲、いくつかの演奏をCDで聴いてもなかなかピンとこなくて、これはいいなあと思ったのはプレヴィンの演奏くらい。
今回聴いたのは実演だけれど、感動を何割か差っ引いたとしても聴きどころは多くありました。
いつも退屈に感じる「ニムロッド」は端正な味わいで飽きさせなかったし、全体的にはあたかも桜の蕾のように弾力のある生命力のようなものが彩っていて、愉快でした。
ウォルトンでのヴァイオリンは、細やかで滋味溢れるもの。ときおりザラついた響きをスパイスにして抑揚豊かな音楽を奏でており、曲そのものはあまり好きではないものの、不思議な心地よさに包まれました。
神尾さんも、また聴きたい音楽家です。
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