モーツァルト・オペラ・シンガーズによる、モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」(2022年2月18日、王子ホールにて)。
この団体のモーツァルト公演を聴くのは3回目。いつも楽しくて痛快。
ドン・ジョヴァンニはモーツァルトにしてはいささか重いオペラだけれど、軽やかな側面に光を当てた、笑いの多い構成でした。
歌手ではドンナ・アンナの適度な重量感があり、かつ伸びやかな歌唱が印象的。ドン・オッターヴィオのコミカルな演技も冴えていました。タイトル・ロールは主催が演じ、福山雅治に似たイケメンぶりが、まさに女たらしの面目躍如。
次は来年かな。また行くしかない!
ドン・ジョヴァンニ:宮本益光(バリトン/構成・演出)
騎士長:伊藤 純(バス)
ドンナ・アンナ:針生美智子(ソプラノ)
ドン・オッターヴィオ:望月哲也(テノール)
ドンナ・エルヴィーラ:文屋小百合(ソプラノ)
レポレッロ:原田 圭(バリトン)
マゼット:近藤 圭(バリトン)
ツェルリーナ:三井清夏(ソプラノ)
石野真穂(ピアノ)
辻彩奈のヴァイオリン・リサイタル(2022年2月23日、浜離宮朝日ホールにて)
ピアノは福間洸太朗。
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第40番 変ロ長調
フォーレ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調
権代敦彦:ポスト・フェストゥム~ソロ・ヴァイオリンのための(辻彩奈 委嘱作品)
ラヴェル:ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調
サラサーテ:ツィゴイネルワイゼン
前半は、モーツァルト、フォーレともにキラキラとした繊細な響きで丁寧に紡ぎあげた飛行機雲のように伸びやかな世界が眼前に広がるようでした。とくにフォーレは、いたずらにアンニュイな雰囲気を醸し出そうとはせず、きりッと清澄なところが新鮮。
権代の作品はヴァイオリン・ソロ。単純と思われる音の反復が連発される。でも、しばらく聴いているとなぜかもっと続いてほしいと思うような中毒性があり、飽きませんでした。面白い曲。
ラヴェルは曲のせいもあり(?)少し寝てしまったけど、サラサーテにおいての気の利いた技巧で目が覚めました。
辻さん、また聴いてみたいヴァイオリニスト。
福間さんもよかった。悪く言えばソツのない、でも伴奏としては十全。ソロを聴いてみたくなりました。
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