藤原歌劇団によるモーツァルトの「ドン・ジョヴァンニ」公演に足を運びました(2018年7月1日、日比谷、日生劇場にて)。
この公演でもっとも印象に残ったのはオーケストラ。東京シティ・フィルがピットに入ることは比較的珍しいと思うが、大健闘。どのパートも有機的な響きを醸し出していたし、流れもいたって自然。というより、キビキビとした足取りは、他の多くのディスクからも聴けないほど闊達なものでした。
歌手ではドン・ジョヴァンニ。恰幅のある声は高低を縦断して、朗々と響き渡りました。レポレッロもよかった。同じバリトンですが、コミカルな味付けで、タイトル・ロールとの差異を意識させてくれました。
他の歌手は、一長一短。声質はみんないいのですが、ところどころ不安定。それぞれ難しい役柄なのでしょう。
演出はオーソドックスで安心して観られましたが、幕を跨いで同じ舞台装置。
退屈感を免れないものだと感じました。
ドン・ジョヴァンニ:カルロ・カン
ドンナ・アンナ:坂口 裕子
ドンナ・エルヴィーラ:佐藤 康子
ドン・オッターヴィオ:中井 亮一
騎士長:東原 貞彦
レポレッロ:田中 大揮
ゼルリーナ:梅津 貴子
マゼット:大塚 雄太
指揮:ジュゼッペ・サッバティーニ
演出:岩田 達宗
管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
合唱:藤原歌劇団合唱部
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