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クレーメルのヴァイオリン、アルゲリッチのピアノでシューマンのヴァイオリン・ソナタ1番を聴きました(1985年11月、スイス、ラ・ショー=ド=フォンでの録音)。
この曲は1番といっても、晩年の作品と云えます。少し前に作られたチェロ協奏曲の2楽章のような、薄くヴェールのかかったようなメランコリックな曲想が印象的な作品です。
クレーメルはときおりポルタメントを効かせて甘く奏でるところがあるかと思えば、切っ先の鋭い弾きぶりをみせることもあり、変化に富んでいる。アルゲリッチは豊満。それでいて粒立ちがいい。高音は輝かしくて華やか。幻想味はいい感じに濃厚。
シューマンを聴く喜びが、この演奏にはあります。
クレーメルとアルゲリッチのコンビを実に久しぶりに聴きました。とはいってもこの録音は30年以上も前のことだから、彼らの近況を伝えるものではない。でも、演奏はいいものでした。これがレコード芸術のありがたみ。
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