福田俊一郎さんのヴァイオリン、三又瑛子さんのピアノによるデュオ・コンサートに足を運びました(2018年7月7日、銀座、シャネル・ネクサス・ホールにて)。
シャネルのピグマリオン・コンサートは3年ほど前から聴いていますが、どれもとても質が高い。若者中心とした人選もさることながら、奏者の選曲もいい。人口に膾炙した曲ばかりを選ばない。
今回も、期待を裏切りませんでした。
ルクレール ヴァイオリン・ソナタ ニ長調
シューマン ヴァイオリン・ソナタ1番
プーランク ヴァイオリン・ソナタ
ルクレールは少しは硬かったかな。技術的には過不足ないが、フランス・バロックの軽やかさはここに見出せませんでした。
3日間で仕上げたとは思えないシューマンのソナタは、堅実な中低音で堅実に捌く。そこには、ふわふわとしたインスピレーションは薄かったものの、手厚いドイツ音楽がありました。
プーランクは本日最高の聴きものだったかもしれません。切っ先鋭いヴァイオリンの厳しい音色は、第二次世界対戦真っ最中のパリの陰鬱を語っていたようです。美しくてデリケートなピチカートが悲劇を演出していました。
まろやかなピアノは、ときには歯切れよく、ときには夢のように柔らかく、盤石のサポートだったと感じます。
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