湯浅卓雄指揮 新交響楽団の演奏会に行きました(2017年10月8日、池袋、東京芸術劇場大ホールにて)。
早坂文雄/左方の舞と右方の舞
黛敏郎/曼荼羅交響曲
ホルスト/組曲「惑星」
栗友会合唱団
「典雅な、優美な、清澄な、高貴な、おおらかな、透徹した、そうして簡潔にして抑制した日本美の核心的情操を表現したいと思ったのだ」
その核心的情操であるところの早坂の曲は、管弦楽の色彩が実に豊か。とくに冒頭のフルートとピッコロは極彩色。ふうわりとした質量を保ちながら、艶やかな世界を繰り広げました。聴いていて、こんなに心地よい音楽は、そうありません。これは日本の情緒だからだろうか。
それに比べると、黛の作品は前衛的。影響を受けたというメシアンの、ほんのりとした残り香を纏わせていました。
指揮者の前にピアノとオルガンとハープを置き、両サイドに弦五部をそれぞれ配置するという編成は、視覚的にも楽しめました。
ホルストは、全体を通して中庸〜やや速めのテンポ設定。ドスのきいたティンパニとグランカッサに浮世を忘れつつ、いっぽうで合唱の細やかにしてはかない響きにも酔いました。
新交響楽団は、どのセクションも高レベル。どんなに速いパッセージでも流暢だし、難しいであろう弱い箇所もしっかりコントロールされています。腹筋を鍛えているのでしょう。
アマチュアでは間違いなくトップクラスのオーケストラ。
パースのビッグムーン。
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