東京二期会の制作による、プッチーニ「蝶々夫人」公演に行きました(2017年10月7日、上野、東京文化会館大ホールにて)。
全体を通してオーソドックスな演奏・演出で、とても気持ち良く泣けました。
しだれ桜が美しかった!
蝶々さんは声そのものは、とりたてて際立つものはなかったのですが、最高音に至るところの細く伸びるところが素敵て魅せられました。また、演技はつつましく、かつ艶やかで素晴らしかった。
ピンカートンは硬質でストレートな歌唱が気持ちよかった。上背が蝶々さんとおなじくらいなことと、演技はまずまずな部分はあったものの、歌唱はよかった。
スズキは、情感が細やかであり、歌も落ち着いており、舞台を引き締めていたと感じました。
シャープレスは、厚い歌い回しと演技が冴えていて、このお話の良心ともいうべき役柄をきちんと演じており、見応えがありました。
ゴローは、声はいいものの、若干弱かったか。
オーケストラは、繊細で、きめ細やかな響きが印象的。ミスはほとんどなく、流麗にプッチーニの世界を描いていました。終始、大声を出すことなく、歌い手を優しくサポートしており、万全の演奏だったと思います。
合唱は、きわめて精緻。感服しました。
蝶々夫人:森谷真理
スズキ:山下牧子
ケート:和泉万里子
ピンカートン:宮里直樹
シャープレス:今井俊輔
ゴロー:升島唯博
ヤマドリ:鹿野由之
ボンゾ:勝村大城
神官:原田勇雅
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京交響楽団
指揮:ガエタノ・デスピノーサ
演出:栗山昌良
パースのビッグムーン。
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