原宿に佇むフランス料理屋「ラ・ブーレット」で開催された、ヴェルディ「トラヴィアータ」ディナー・コンサートに足を運びました。
野田ヒロ子(ヴィオレッタ)
村上公太(アルフレード)
米谷毅彦(ジェルモン)
河野真有美(ピアノ)
ハイライトとはいえ正味1時間半ほど。音楽もお話も、エッセンスをじゅうぶん堪能することができるボリューム。
野田さんは藤原のトッププリマのひとりとのことですが、初めて聴きました。一言でいえば重厚な楷書書き。男に頼るばかりの女というよりは、自立した大人の女性の強靭さといったものを感じさせました。
村上さんのアルフレードは硬軟織り交ぜた歌唱がよかった。情熱はたっぷりと備えているものの、ときに優柔不断な顔を見せるところ役柄に合っていたように思います。
米谷さんは、直線的な歌いまわしが、ある程度年齢を経たゆえの頑固さをあらわしているようで、安定感があった。
河野さんのピアノは、ここ半年くらい変貌をみせています。持ち味の繊細なフレージングに加え、大胆と云えるような、マッシヴな力強さをも身に着けはじめた。この日は、とくに3幕でそれを聴くことができました。
3人それぞれ持ち味を出した歌をピアノがガッチリと支え、大変聴きごたえのあるコンサートでありました。
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