東京二期会によるヴェルディ「ファルスタッフ」公演に足を運びました(2021年7月17日、東京文化会館大ホールにて)。
1幕の九重唱、2幕のフーガ、3幕におけるアンサンブルの妙味。
めくるめく2時間を堪能しました。
この公演、指揮者のビリーを目当てにしていました。モーツァルトのダ・ポンテ3部作はよく聴いたし、同い年のマエストロでもある。今日、たまたま二期会のサイトを覗いたら、ビリーは来日不能とのこと。落胆しました。でも、代打の指揮者はよかった。
最初から終わりまで、生きのいい海老のような躍動感があり、オケを聴いているだけでもシアワセな心地になりました。東京フィルの高い力量を見せつけられました。
シーニさん、要チェック!
演出は、2幕までを気に入りました。レトロを感じさせる舞台を伸縮させる手法はまるで漫画のよう。演者は現代的ないでたちで、こちらもなんだか昭和を感じさせるもので、親近感がありましたね。
ファルスタッフは万全。歌、演技ともに堂々たるもの。裏声にも味がありました。
アリーチェとナンネッタも素敵。前者は酸いも甘いも?み分けた人妻の威厳、後者は若々しい高音の伸びが気持ちよかった。
フェントンも雰囲気ありました。
オペラを聴いて、久しぶりに豊かな気持ちになった土曜日の午後。
ファルスタッフ:黒田 博
フォード:小森輝彦
フェントン:山本耕平
カイウス:澤原行正
バルドルフォ:下村将太
ピストーラ:狩野賢一
アリーチェ:大山亜紀子
ナンネッタ:全 詠玉
クイックリー:塩崎めぐみ
メグ:金澤桃子
合唱:二期会合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:レオナルド・シーニ
演出・衣裳:ロラン・ペリー
合唱指揮:佐藤 宏
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