クレンペラー指揮バイエルン放送交響楽団の演奏で、ブルックナーの交響曲7番(ノヴァーク版のようです)を聴きました(1956年4月、ミュンヘン、ヘルクレスザールでのライヴ録音)。
これは、淡々としていながら滋味のある演奏だと思います。
比較的速めのテンポで進む。陰影が正午の木陰のようにクッキリしていて明快。微妙にテンポを揺らしているようだけど、その境界線がわからなく、ということは自然な流れということか。
2楽章のタイムは19:21だから中くらいか、やや速めであるものの、第2主題の足取りはじっくりしているし、弦の響きにコクがある。山頂は、ティンパニ、シンバル、トライアングル。トランペットがなんとも輝かしい。ワーグナー・チューバはくすんだ味わい。
3楽章はフレーズひとつひとつを?みしめるよう。トリオは幽玄とした佇まいで、美しい。
終楽章も丁寧だし、おそらく計算され尽くしているのであろう、テンポの変化がこなれていてスッと腑に落ちる。最後はあっさりと締めくくられます。
録音は聴きやすいモノラル。
PR