休日なのでホロ酔い状態でふたつのコンサートに臨席しました。
東京二期会の制作、バッティストーニ指揮 東京フィル他の演奏で、プッチーニ「エドガール」公演(2022年4月23日、オーチャードホールにて)。
エドガール:福井 敬
グァルティエーロ:北川辰彦
フランク:清水勇磨
フィデーリア:髙橋絵理
ティグラーナ:中島郁子
合唱:二期会合唱団
児童合唱:TOKYO FM 少年合唱団
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団
指揮:アンドレア・バッティストーニ
原作はミュッセで、台本はフォンターナ。
多少は乱暴なお話でも、通常はそれがオペラの面白さのひとつとして受け止められます。でも、これはメガトン級の荒唐無稽ぶり。音楽鑑賞に差しさわりがあるくらいのものであり、良くも悪くも台本の力をまざまざと感じさせられました。
これは、新たな発見。
演奏は聴きごたえがありました。オーケストラは軽やかで柔らかみも湛えてチャーミングだったし(特に1幕)、久しぶりの中島さんはドスが効いていて悪女の雰囲気満々、清水さん演じるフランクは実直な味があった。また、ベテランの福井さんの健在ぶりを確認できて、安心もしました。
この公演、もしかしたらあらすじを知らず、字幕も見ないで視聴したほうがよかったかも。。
もうひとつは、バリトンソロとピアノ・デュオのコンサート(2022年4月24日、松本記念音楽迎賓館にて)。
バリトン:山田健
ピアノ:野澤桂子
ピアノ:森川伸子
山田さんを聴くのは2度目で、今回はイタリア民謡と日本歌曲、オペラアリアなどを披露。恰幅がよく心地よい声に加え、苦み走った容貌がまたいい。歌曲もいいけれど、オペラも観たい。
そう、アルマヴィーヴァ伯爵、あるいはオックス男爵あたりを演じてほしいものだとしみじみ思います。
ピアノのお二人によるシューベルトはすっかり手の内にはいったもの。「幻想曲」は最後期に書かれた作品のひとつで、この慟哭とも呼べるような世界を、私には一言であらわすことはできません。
演奏を聴きながら、諸行無常を感じました。シューベルトはここに諸行無常を書いたのかもしれない。
邪推です。
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