東京バレエ団、磯部省吾指揮 東京シティ・フィル他の出演による、チャイコフスキー「くるみ割り人形」公演に足を運びました(2020年12月12日、東京文化会館大ホールにて)。
「くるみ割り人形」の観劇は、年末の恒例になりました。これを観なきゃ年を越せない、というわけではないけど、夏頃から配られる案内を見ると疼く。ここも新国立劇場バレエ団も牧阿佐美バレヱ団も素晴らしいから、目移りもする。いつ観てもハズレがないと感じるのは、チャイコフスキー愛のなせるわざか(笑)。
踊り手の技巧については全く不案内で説明ができない。ゆえに、みんな上手いとしか言いようがない。チャーミングで躍動感あるバレエに心躍りました。各国の踊りのなかのトレパークが3人なのは今まで観たことあったかな? いずれにせよ、オーソドックスな演出だったし、安心して観ていられました。
指揮の磯部さんは初めて聴いたけど、ところどころにスパイスを効かせていました。1幕前半においてのポルタメント、ネズミとの戦争シーンでの打楽器の増強、いくつかの場面で聴かれた強弱の変化。面白かったし、舞台に適っていたのではないか。
ひとつだけ気になったのは、児童合唱にPAを使っていたこと。雪片のワルツの幻想的な味わいが、いくぶん減少したような気がします。まあ、好みの問題でありましょう。
チャイコフスキーのバレエを観ることは、人生の大きな至福だなぁ。
マーシャ:秋山瑛
くるみ割り王子:宮川新大
ドロッセルマイヤー:柄本弾
ピエロ:鳥海創
コロンビーヌ:涌田美紀
ウッデンドール:海田一成
弟のフリッツ:加藤くるみ
ねずみの王様:後藤健太朗
他
改訂演出/振付:斎藤友佳理(レフ・イワーノフ及びワシーリー・ワイノーネンに基づく)
舞台美術:アンドレイ・ボイテンコ
装置・衣裳コンセプト:ニコライ・フョードロフ
児童合唱:NHK東京児童合唱団
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