ときどき、むしょうにマカロニ・グラタンを食べたくなる。
作り方は簡単。ベシャメル・ソース作りに時間はかかるが、少々手間をかければ失敗は少ない。
1.厚底の鍋にバターと小麦粉を入れて混ぜる。
2.牛乳と生ミルクを加えながら、根気良く、じわじわと混ぜてゆく。
3.コンソメと塩、少量の水で味を調える。
4.別途、フライパンで海老(もしくは鶏肉)と玉ねぎを炒める。
5.耐熱鍋に硬めに茹でたマカロニと4.とソースをいれ、パン粉とチーズをかけてオーブンで焼く。
1から3までの工程が1時間程度。これがおいしくできればほぼ成功は約束されたようなもの。
仕上げにパセリのみじんを乗せたりすればおしゃれだけど、ウチではそこまではやらないノダ。
アマチュア・オケである、日本IBM管弦楽団の演奏会。
指揮:手塚幸紀
ピアノ:魚谷絵奈
グリンカ:「ルスランとリュドミラ」序曲
ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番
チャイコフスキー:交響曲第4番
IBM管弦楽団を聴くのは、これが2度目。1度目は半年前の5月にフランスもので固めたプログラムを聴いたのだった。オッフェンバックとグノーとサン・サーンスで、華やかな色彩が楽しめたのだった。
で、この日はロシアもの。「オラオラ文句あるか」といわんばかりの有名曲揃い。
はい、文句ありません。
ピアニストの魚谷は東京藝大在学中とのことで、ラフマニノフを得意としているらしい。肩幅の広い大柄な身体から生み出される音は、意外なほど緻密で細かなニュアンスに富んだものである。速いパッセージの場面でも、技巧はしっかりと安定していて危なっかしさはほとんどないだけでもじゅうぶんに素晴らしいものだ。
でもいいのはそれだけではなくて、全体のバランスを考慮したオーソドックスなテンポ設定は、「ああラフマニノフだなあ」といった安心感がある。手塚のサポートはなかなか気の利いたもので、オーケストラがピアノを覆ってしまう部分は少なく、気配りのきいたサポートを聴かせてくれた。テンポ設定はもしかしたら手塚の采配によるところがあるのかもしれない。
チャイコフスキーでは、その手塚の抑制のきいた指揮ぶりを堪能した。交通整理に徹したともいえる指揮ぶりだった。
1楽章では、最初から最後まで、基本的には3拍子をずっと繰り返す。ときどき、拍子が変わるところではなにげなく棒を操って変化し、そしてまた3拍子に戻る。オーケストラのメンバーは、この手堅い棒にキッチリとついてゆく。素人目からしても、ずんぶん弾きやすいのじゃないかと思うくらい、わかりやすい指揮なのだ。アマのオケなので、あえてそうしているのだろうけど、指揮とはこういうものだということを、改めて感じさせてくれた。
ブラスと打楽器が炸裂して最後はおおいに盛り上がる。こうした曲って、アマのほうがむしろ盛り上がることがあるのだ。
オケのメンバー、終演後のビールがうまいのだろな。
前に座っていた小学生の女の子が、最初から最後までうずくまったり隣の親に寄りかかったりで、死ぬほど退屈そうだった。挙句の果てに、交響曲の最後では耳を塞いでいた。ちょっと気の毒である。
2008年11月29日 すみだトリフォニーホール
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