小林研一郎指揮 日本フィル(周防亮介:ヴァイオリン)のコンサートに足を運びました(2021年9月19日、サントリー大ホールにて)。
サン=サーンス「序奏とロンド・カプリチオーソ」
タイス「瞑想曲」
サラサーテ「ツィゴイネルワイゼン」
ベルリオーズ「幻想交響曲」
周防さんのヴァイオリン、先月だかにパガニーニのカプリースを聴いてまた感銘を受けたので、このコンサートのチケットを取った次第。
名曲ばかり三つ並べた演目は意外に少ないと思われ、この日はあたかも3楽章の協奏曲のような印象を受けました。
切っ先の鋭さはいつも通りで、それに加えて満開の牡丹のような音色の豊穣さに魅せられました。腕と指の動きは目覚ましく、サラサーテの後半は熱狂的。やはりこの人、只者ではない。
「幻想交響曲」には、数年前に高関/東京シティ・フィルが繰り広げた名演が胸に強く残っているため、どうしてもその演奏との比較になってしまう。
でも、この日の「幻想」もよかった。日本フィルは在京のなかで最も硬質でキレのある響きを醸し出すオーケストラと思っていますが、ひんやりと透明感のある弦を基調に、滑舌のいい木管、キリリと締まって輝かしい金管がいい味を出していました。
ラストの大太鼓には涙腺が緩みました。
コバケンはたいがい名曲しか振らないようですが、それだけによく練られた演奏を聴かせてくれました。
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