大野和士指揮 東京都交響楽団の定期演奏会に足を運びました(2019年4月20日、東京芸術劇場大ホールにて)。
グリーグ ピアノ協奏曲(ピアノ:ニコライ・ルガンスキー)
ベルリオーズ 幻想交響曲
ルガンスキーはCDを含めてもおそらく初めて聴くピアニストでした。長身であるし指が長いことからラフマニノフなどを得意としていることは伝え聞いていて、なるほどテクニックは痒いところに手が届くくらいに冴えていた。
でもそれだけではない。強靭ななかにしなやかさを兼ね備えていて、音楽に温かみを持たせていました。高音の輝きは磨き抜かれており、くもりのない響きは快感とも云える心地よさでした。
この曲のこんなにいい演奏を聴いたのは、とても久しぶり。
「幻想交響曲」はミュンシュ的な熱さを求めたのであろうという演奏。そうすると、1,3楽章が退屈に感じられることがままあるけれど、この演奏もそう。聴きどころの焦点を見いだせなかった。
その半面、最後のふたつの楽章はなかなか勇壮。グランカッサを両サイドに配置した様子は、パフォーマンスとして効果があったと思う。ラストはドホナーニやマゼールのようにバチを小さくすればよかったと思うのは私の趣味。十分迫力がありました。
2楽章はコルネットのオヴリガート付き。賛成だけれど、周りの楽器にかき消されがちだったのは残念。
全体を通して、とくに強奏の部分において透明感に欠けたところが散見されたのは、この曲の演奏の難しさなのだろう。と無責任に考えます。
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