プーランク「人間の声」とビゼー「アルルの女(全曲)」公演に足を運びました(2022年1月8日、東京芸術劇場大ホールにて)。
プーランクは電話による会話をオペラにしたもの。相手の声は聞こえないので、登場人物は女ひとり。3日前に別れた男との会話は決裂し、女は死を選ぶという話。
森谷さんの声は滑らかで艶っぽい。まさに恋に夢中な女という感じだし、だからラストの凄惨さがより際立ったのじゃないかと思います。
「アルルの女」の全曲が舞台でやられるのは比較的珍しいのでは。合唱付きであることも知らなかった。
これも失恋が主題の物語。「あばずれな」アルルの女に恋したフレデリは彼女に捨てられ、こちらも悲しい最期を迎える。
語りとセリフがすごかった。ひとつひとつの言葉に重みがあって、何度か背筋が痺れました。松重さんと藤井さんの複数役の語り分けは見事。
オーケストラ、合唱はわりと小規模(オケは10型くらい)だったけれど、芯のしっかりとした響きを醸成していて聴きごたえあり。
松重さんを見ていたら、お腹が空いてきたことは言うまでもありません(笑)
■プーランク/オペラ『人間の声』
森谷真理(女/ソプラノ)
■ビゼー/劇音楽 『アルルの女』
松重 豊(語り、バルタザール、他)
木山廉彬(フレデリ)
的場祐太(白痴)
藤井咲有里(ヴィヴェット、フレデリの母)
指揮、構成台本:佐藤正浩
管弦楽:ザ・オペラ・バンド
コーラス:武蔵野音楽大学合唱団(合唱指導:横山修司)
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