ブルガリア国立歌劇場による、プッチーニの「トゥーランドット」公演に足を運びました(2018年10月8日、東京文化会館大ホールにて)。
総じて素晴らしい舞台でした。とりわけ、タイトル・ロールとカラフはよかった。前者は、鋭角的な声を惜しみだすことなく披露し、残忍な色を出すことに成功していました。声には宝石のような艶があったし、パワーにも不足していなかった。カラフも実に伸びやか、勝負の緊張感と求愛を、余裕をもって高らかに歌いあげていた。
リューは堅実な歌いぶり、演技もよかったけれど、琴線には触れなかった。
皇帝はけっこうよろよろ(それが役柄なのか)、ティムールは威厳があった。
ピン・パン・ポンは、真ん中のテノール(ピンか)が雄弁で素晴らしかった。
オケは、たまにラッパがしくじるくらいで、おおむね安定していました。指揮者は、まめに歌手に指示をだしているのが見えました。
演出はオーソドックス。安心して観ていられたな。
ガブリエラ・ゲオルギエヴァ(トゥーランドット)
カメン・チャネフ(カラフ)
ラドスティーナ・ニコラエヴァ(リュー)
スヴェトザール・ランゲロフ(ティムール)
ミロスラフ・アンドレエフ(トゥーランドットの父)
アタナス・ムラデノフ(ピン)
ニコライ・パヴロフ(パン)
フリミシール・ダニャノフ(ポン)
グリゴール・パリカロフ指揮
ブルガリア国立歌劇場管弦楽団・合唱団
プラーメン・カルターロフ(演出)
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