フリッチャイ指揮RIAS交響楽団・他の演奏で、モーツァルトの「魔笛」を再び聴きました(1954年6月の録音)。
このボックスは12年前に購入したもので、モーツァルトの4大オペラが収録されています。当時SNSで紹介したところ、千円台という価格もあり、ブログ仲間に喜ばれた記憶があります。
演奏は、とても堅実で造形がしっかりしていると感じます。それはフリッチャイのリードの確かさによるものでしょう。しなやかでコクのあるオーケストラの音色も大きな魅力。
きら星のような歌手陣は個性が強く、聴きごたえがあります。
タミーノは光沢のある声を惜しみなく披露していて立派。パパゲーノは真面目ですが、巧さにねじ伏せられます。夜の女王は歌い方がいくぶん古めかしい気がするけど、可憐でメルヘンの雰囲気がある。ザラストロは恰幅がよくて威厳があり、かつ柔らかい。パパゲーナは少女のように瑞々しい。パミーナは暖かくて優美、まるで天使のよう!
きめ細かな合唱も大きな聴きものであることから、全体を通してとてもレベルの高い演奏だと思います。
エルンスト・ヘフリガー(タミーノ)
マリア・シュターダー(パミーナ)
ヨゼフ・グラインドル(ザラストロ)
リタ・シュトライヒ(夜の女王)
ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(パパゲーノ)
リーザ・オットー(パパゲーナ)
マルティン・ヴァンティン(モノスタトス)
キム・ボルイ(弁者)、他
RIAS室内合唱団
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