トレヴァー・ピノック指揮 紀尾井ホール室内管・合唱団のコンサートに足を運びました(2020年2月8日、紀尾井ホールにて)。
オール・モーツァルト
交響曲40番
アヴェ・ヴェルム・コルプス
レクィエム
ソプラノ:望月万里亜
アルト :青木洋也
テノール:中嶋克彦
バス :山本悠尋
合唱の扱いの巧さにおいて、ピノックはショルティに並ぶ指揮者だとかねがね思っていて(もっともショルティの合唱モノはCDでしか知らないのだけど)、何年か前に聴いたロ短調ミサは凄かった。今までに体験した合唱とはひと味もふた味も違うもので、軽い衝撃を受けた印象がある。今回も期待通り。ピンと張り詰めた山の空気を思わせる清澄な響きに、汚れた心が洗われるようでした。ソロもみな安定していたし、青木さんのアルトは久しぶりに聴いたけど、やはりいいな。
モツレクはジュスマイアーの補筆によるものでしたが、やはり後半は弛緩する。初演時からあったとはいえ、この曲はラクリモザまででいいのじゃないか。
シンフォニーは、中くらいからいくぶん速めのテンポを基調としたもの。モダン楽器を使用していて、ピリオド奏法はあまりキツくなかったせいか、古楽のアプローチでありつつ、適度な贅肉がついたモーツァルトであるように感じられました。
編成は8型のヴァイオリン対抗配置。
ピノック、今度はメサイアをやってくれないかな。
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