バッティストーニ指揮、東京フィルハーモニー交響楽団の演奏会に行きました(2017年5月20日、文京シビックセンター大ホールにて)。
バッティストーニの指揮を聴くのは2度目です。最初は今年の2月のヴェルディ「レクイエム」。勢いのある熱い演奏が気に入って、このコンサートに足を運びました。
このバッティストーニもそうですが、ジュリーニにしても、アバド、ムーティ、シノーポリと、イタリアの指揮者はわりとチャイコフスキーを好むみたい。歌謡性が強いからでしょうか。
この日の演目はオール・チャイコフスキー。ちょっと、すごいプログラムです(笑)。
「イタリア奇想曲」
ピアノ協奏曲1番 ピアノ:外山啓介
交響曲5番
イタリア奇想曲は、弾力感がたっぷりで、勢いのある名演。もともとおもちゃ箱をひっくり返したようなこの曲を、注文通りに彩り鮮やかにさばいていきました。とくに、短調になってタンバリンなど打楽器が激しく追い込むシーンには、手に汗を握りました。
イタリア奇想曲で感動することは、なかなかないかもしれない。
ピアノ協奏曲1番は、オーソドックスな演奏。ただ、バリバリと鳴るオーケストラに対し、外山さんのピアノは、デリケートでした。ピアノがオーケストラの音量に負けていた。バッティストーニはそのあたりの加減をしていなかったのです。
ピアノは弱音が綺麗なんだけれども、その見せ場は、こうしたパワー系の演目だから、多くありませんでした。だから、彼の持ち味がうまく出なかったような気がする。もう一度、オーケストラ抜きで、リサイタルの形で聴いてみたいと思いました。
交響曲5番は、自由にテンポを揺らして、感情の起伏を最大限に広げた演奏。
1楽章の第2主題をあれほど遅く、甘く、思い入れたっぷりに鳴らした演奏は他に知りません。
2楽章のホルンはいくぶん硬めでしたが、わすがにかかったヴィブラートに雰囲気がありました。
4楽章の終結は、今まで聴いたことがないものでした。急激にテンポと音量を落として、やおら最後の和音が爆発。
ここは、あまり好みではないな(笑)。
パースのビッグムーン。
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