バッティストーニ指揮 東京フィル、新宿文化センター合唱団、宮里直樹(テノール)による、ベルリオーズ「レクイエム」公演に足を運びました(2023年3月18日、新宿文化センター大ホールにて)。
ティンパニを16台、合唱の後ろとオケの両サイドにバンダを配置。壮観であり、それらが咆哮したとき、手に汗を握りました。ただ、大ホールを揺るがすというほどではなく、やや控えめだったように思います。これらが登場するのは、全曲のなかの一部。バッティストーニは、緩やかな音楽をしっとりと、情感豊かに演奏することを主眼としていたのではないかなあ。それは「キリエ」や「アニュス・デイ」に色濃く出ていました。
合唱団の響きはきめ細かく、かつコクのある香りを醸し出していたし、テノールのソロは余計な飾り気がなく、ふくよかで温かな声。いままで聴いたさまざまなCDを含めても最上の歌唱に思われました。
この作品がベルリオーズの代表作のひとつであることを改めて感じました。ただ、窮屈な座席に座って聴いてみると、少々長い。
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