ゲルギエフ指揮マリインスキー歌劇場管弦楽団(ヴァイオリン:五嶋龍)のコンサートに足を運びました(2019年12月6日、東京文化会館大ホールにて)。
チャイコフスキー
交響曲2番
ヴァイオリン協奏曲
交響曲4番
協奏曲を聴くのは、この2か月間で3回目。樫本大進、バティアシュヴィリ、そして五嶋龍。彼もふたりに並ぶ名人だから悪かろうはずがない。
五嶋さんの音楽は凛とした楷書がき、と思い込んでいました。なに情報だろう(笑)。
実際に聴くと、強弱の変化及び、じっくりと溜めたり、押したり引いたりといったテンポの揺れが顕著。それは腑に落ちるところもあったけど、ところどころ違和感を感じました。でも、ときにキラリと光る高音の伸びは鮮やかで、あたかも名刀の煌めき。気持ちがよかった。
ゲルギエフの伴奏は最良。奔放すぎる伴奏にピッタリと追随。五嶋さんはフレーズの繰り返しがあるところの2度目をレガートで奏する流儀だったけど、オケはそれを律儀になぞって弾きぬいていました。
2番は不調。全体的に響きが濁っていたし、躍動感に欠けていた。意地悪を言うと、これなら家でムーティのCDを聴いていたほうがいい。
4番は少しよかった。とりわけ、ゆっくりとした部分においてのフレーズの歌わせかた。柔らかく繊細で、感傷的な味わいが濃厚でした。ただ、終楽章はもうちょっとパンチの効いた音楽を聴きたかった。
2番は16型、4番は14型。いずれも、ヴァイオリン対抗配置で、コントラバス・チェロは左側。
この度はゲルギエフを2度聴いたけれど、オペラのほうがしっくりきました。
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