東京バレエ団の制作、東京シティ・フィルの演奏による、チャイコフスキー『くるみ割り人形』公演に足を運びました(2019年12月15日、東京文化会館大ホールにて)。
『チャイコフスキーの音楽でバレエを観る。こんな愉悦を他に見つけることは容易ではない』
年末恒例は第九もメサイアもいいけれど、ここ何年か『くるみ割り』を欠かせていない。全然飽きることがありません。
くるみ割りをもらったクララは幼女で、夢に落ちて少女になり配役が変わる演出はよくあるけど、この日のは同じ人。変わるほうが好きだけど、特段の違和感なし。
もっとも感動したのは、鼠の群舞。今までみたことのない振付だったからだろう、とても鮮烈に感じました。
雪のワルツ、花のワルツの群舞は白のドレスと相まって美しかったし、各国の踊りは色とりどりで楽しかった。
バレエだから音楽の演奏における冒険は滅多にない。よって、井田さんのオーケストラは堅実だったけど、副声部のファゴット、クラリネットはよく響いており印象的。
総合的に、今季のくるみ割りも大変満足しました。
結論。
この音楽に匹敵し得るのは、ベートーヴェンとシューベルトの後期作品、と言ってしまおう。
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