演目:
ワーグナー 「さまよえるオランダ人」序曲
ブリテン 「4つの海の間奏曲」
ドビュッシー 「海」
スメタナ 「モルダウ」
最初のワーグナーを聴いているときは途中で帰ろうかと思ったが、あとの3つはいい演奏だった。
ことに、ブリテンとドビュッシーに焦点をあてて修練したのじゃないかと思う。
ブリテンの曲順は「夜明け」、「日曜日の朝」、「月光」、「あらし」。録音によってはこの順番が異なることがあるが、コンサートにおいては「あらし」を最後に持ってくるのが効果的なのだろう。昔にマリナー/東京フィルで聴いたときも、確かこの順だったと思う。
オーケストラの音はじゅうぶんに練られていて、厚く色彩的。金管と弦とが溶け合う響きが心地よかった。
ドビュッシーはこのコンサートの白眉。ここでは金管楽器が光った。とくに、ヴィヴラートをたっぷり効かせたホルンは「おフランス」の雰囲気がじんわりと出ており、懐かしのパリ音楽院管を思わせた。トランペットもとてもまろやかで、角の丸いタッチが印象的。
アルミンクという指揮者は初めて聴いた。オーソドックスなテンポを基調にして、強弱にうねりをつけるやり方は、なんとなくイギリスの指揮者の匂いを感じさせた(あとで調べたところ、オーストリアの人である)。
ビックリするような仕掛けはない半面、流れが自然であって安心して音楽に身を任せることができる。
機会があれば、この指揮者のモーツァルトやベートーヴェンも聴いてみたい。
ヴァイオリンは5プルト、コントラバスは7丁。新日本フィルを久々に聴いたが、どちらかと言えば管楽器に優れた奏者が多いように思った。
2012年5月11日、すみだトリフォニー・ホール。
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