久しぶりにダスビを聴く。といっても、定期演奏会が年に1度だから、毎回行っても新鮮。昨年は行ったか知ら。
指揮は常任指揮者の長田雅人。
演目は以下の通り。
ロシアとキルギスの民謡の主題による序曲
チェロ協奏曲第1番(チェロ:丸山泰雄)
交響曲第5番
編成は、第1ヴァイオリンが6プルト、ヴィオラが6プルト、コントラバスが12台。弦が厚い。
「革命」は、1,2楽章は中庸なテンポで進んだ。2楽章は、まず出だしのコントラバスとチェロがなかなか強烈で、聴くだけでなく観るのも楽しめた。コントラファゴット、ピッコロ、フルートが華やかに舞う。
3楽章は、この日の白眉。やや速いテンポで、青い慟哭ともいえる透明な世界を薄く照らし出していた。ハープのリズムにのって奏でられたフルートが悲しいほど美しい。この曲がこんなに短く感じたのは初めて。密度の濃い時間だった。
4楽章は速め。冒頭はティンパニストが両手で交互に異なるティンパニを叩いており、忙しそうだった。トロンボーンとチューバがよく鳴った。空っ腹に響く。ラストはぐっとテンポを落とし、大太鼓がズシンと締めた。
チェロ協奏曲、丸山のチェロは最初はエンジンがかからなかったようだが、1楽章の途中からぐんとよくなった。聴きどころは2楽章、長いカデンツァを淀みなく弾き切った。
そしてこの曲で特筆すべきは、やはり2楽章、ホルンのソロ。素晴らしすぎた。かすかにヴィブラートがかかった黄金の色は、プロ顔負け。
こういうソリストがいるから、アマチュアは侮れない。
2016年1月31日、東京芸術劇場大ホールにて。
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