今年読んだ本で、「カラマーゾフの兄弟」と「三四郎」には大いに感銘を受けたが、再読なので除外した。
■「その女アレックス」 ピエール・ルメートル(橘明美訳)
孤独なアレックスに感情移入しないわけにいかない、ミステリー小説。
■「古事記」 太安万侶(池澤夏樹訳)
お勧めは上巻と中巻。遠くて近い日本の古代に、理屈抜きで思いを馳せることができる。
なお、訳者の注記が肌理細やかで人情味溢れたものであることは、特筆すべきだろう。
■「持ち重りする薔薇の花」 丸谷才一
丸谷は、エロい。
■「日本人のための世界史入門」 小谷野敦
文学や音楽についての記載もあり、勉強になるところが多い。繰り返し紐解く価値のある本であると思う。
■「道は開ける」 D・カーネギー(香山晶訳)
著者は言う。「古いことわざの多くを活用できれば、ほとんど完全な人生を送ることができよう。本書などまさに無用の長物と言ってもよい」。その通りだと思う。
そういうこともあり、本書の形式を実際に起こったことの具体例を示すことに拘ったのかもしれない。とにかくいろいろなパターンがある。
繰り返し読むに足る、というよりも繰り返し読むべき本だろう。
■「万葉集」(口訳:折口信夫)
しるしなく 物思わずは、一杯の濁れる酒を 飲むべかるらし
「役にも立たないのに、色々考えこんでいるよりは、一盃の濁った酒を飲んだ方がよいにきまっている。」
【結論】酒を飲まなきゃやってられないのは、昔も今も同じ。
■「超たぬき理論」 東野圭吾
東野圭吾の小説は、長編のミステリーを何冊か読んだことがあるが、ユーモア小説は初めて。くだらなくて、実に面白い。
■「7つの習慣」 スティーヴン・R・コヴィー
自己啓発書は、これとカーネギーの「道は開ける」、この2冊で打ち止め?
■「ゴリオ爺さん」 バルザック(平岡篤頼訳)
「おれたちの幸福なんて、君、いつでも足の裏から後頭部までの間に収まっているのさ」。
■「モナドの領域」 筒井康隆
読むのは遅いのにも関わらず止まらなくて、1日で読了した。面白かった!
海へ。
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