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バーンスタイン、ヴェルディ「ファルスタッフ」

2018.12.09 - ヴェルディ
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バーンスタイン指揮ウイーン・フィル他の演奏で、ヴェルディの「ファルスタッフ」を再び聴きました(1966年3月、4月、ウィーン、ゾフィエンザールでの録音)。


小林秀雄は、アインシュタインが論じたヴェルディについて、こう書いている。

「ヴェルディのメロディというものは、おまえたちがメロディだなんて思っている裏の方で鳴っているもので、おまえたちのメロディとは全然ちがうもんだ」。
『トラヴィアータ』や『アイーダ』を聴いて耳に快いメロディだというが、「そんなことをいったらきみたちはヴェルディという人を間違える。ヴェルディがどうしてワーグナーと拮抗するくらい偉い音楽家であるかということは、わからないだろう。そういうことを言ってるんです」。

アインシュタインのどんな本なのか興味深い。機会があったら読んでみたいものだ。
それにしても彼が何を言わんとしているのかは、よくわかりかねる。メロディの裏とは何ぞや? 禅問答のようである。
ただ、ヴェルディがワーグナーに拮抗しているという説は理解できる。「ファルスタッフ」を聴けばいい。

これはヴェルディが生涯で最後に書いたオペラ。この作曲家について詳しくはないが、それまでの「トラヴィアータ」や「アイーダ」、「オテロ」といったところとは一線を画する違いを感じる。
それは、全編が一気呵成に進んでいくところ。ひとつの声楽曲の大きな楽章のようにも思える。幕ごとに切れ目はあるものの、シーンごとはほぼ繋がっているため、緊張感を強いられる。それはあたかも、嵐のあとの大河を思わせる。あらがいようのない大きな力が非常な推進力をもってとうとうと流れる。
管弦楽法の緻密さや、めくるめくフーガの展開など、技術的にも卓越しているだろうことは手に取るようにわかる。

バーンスタインのリードは、なにしろ勢いがいい。冒頭からエンジン全開という感じ。ウイーン・フィルが、こんなにはちきれんばかりに演奏しているのは、最近ではあまり聴かれないかも。

ディースカウの歌唱は、想像以上。声質はコクがあり、歌いまわしもうまい。それでいて嫌味は薄い。
ヴァルデンゴ、タディ、ブルゾンもいい味を出していて気に入っているけど、ディースカウのうまさは一段抜けていると思いました。

ディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン:ファルスタッフ)
ローランド・パネライ(バリトン:フォード)
グラツィエッラ・シュッティ(ソプラノ:ナンネッタ)
イルヴァ・リガブーエ(ソプラノ:フォード夫人)
ヒルデ・レッセル=マイダン(アルト:メグ)
レジーナ・レズニック(メゾ・ソプラノ:クイックリー夫人)
フアン・オンシーナ(テノール:フェントン)
マレイ・ディッキー(テノール:バルドルフォ)
ゲルハルト・シュトルツェ(テノール:カイウス医師)
エーリッヒ・クンツ(バリトン:ピストーラ)、他
ウィーン国立歌劇場合唱団
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Comment

こんにちは - rudolf2006

芳野さま 
こんにちは… お久しぶりです

前回のオーマンディ、フィラデルフィアの演奏 取り上げてくださり 感謝です。クラとバスーンのお二人は80歳を過ぎても 現役だったですね スゴいことです(定年があるかと思うのですが、その辺りは良く分かりません)

小林氏の意見 よく分かりません、前期、中期のヴェルディの伴奏は美しいものも多いですが、非常に単純なものですが、後期になると 非常にオケの楽器の使い方が上手くなっていると思います。

このバーンスタインの「ファルスタッフ」 LP時代からの愛聴盤です、ヴィーンのオケで これほど活気溢れるヴェルディを演奏したのは、きっとバーンスタインが初めてではないかなと思います。
最近のリマスタリングで 音がものすごく良くなりました、「薔薇の騎士」も同じですが… 不思議ですね 

ミ(`w´彡)
2018.12.09 Sun 14:48 URL [ Edit ]

rudolf2006さん、こんにちは。 - 管理人:芳野達司

返信おくれてすみません。
先週から急性虫垂炎で入院しておりました。スマホは持ち込んでいつでも見られたのですが、コメントのお知らせが家のPCのみ受信できるようになっていたので、気がつきませんでした。

80歳過ぎて現役だったとは、凄いですね。オーケストラって定年があると思っていました。特例なのですかねえ。
小林さんの意見はわかりません。ヴェルディがワーグナーに比肩する作曲家だということはなんとなく納得いくのですが。
バーンスタインの「ファルスタッフ」はなんともイキがいいですね。いままで聴いたジュリーニやカラヤンやトスカニーニもいいですが、この演奏も素晴らしいと思います。

手術はせず、絶食と点滴で治療したのですが、体力が落ちてしまって声がしっかり出ません。笑
2018.12.12 16:10

こんにちは - rudolf2006

芳野さま こんにちは
お久しぶりです (この前にコメントしたのですが…届いていますでしょうか?)

この前のフィラデルフィアの名手の紹介 感謝です
木管後列のお二人は 80歳を過ぎても現役でした、60歳で引退だと思うのですが、例外もあるようですね
ガーフィールドさんは引退後も 後任が見つからず、出ておられましたね

バーンスタインの「ファルスタッフ」 LP時代からの愛聴盤です、最近のリマスタリングで 音がものすごく良くなったですね (「薔薇の騎士」もですが…)
これほど 生き生きした「ファルスタッフ」は それほどないかと思います。
小林氏の意見はよく分かりませんが… ヴェルディの中期まではオケの伴奏はまさに伴奏ですが、後期になると 非常に雄弁になっていますね 
ミ(`w´彡)
2018.12.11 Tue 14:15 URL [ Edit ]

お早うございます - rudolf2006

芳野さま お早うございます

入院されていたのですね、知りませんで申し訳ございません  <(_ _)>

寒くなってきていますので
くれぐれも お身体をご自愛くださいね

ミ(`w´彡)
2018.12.13 Thu 06:57 URL [ Edit ]

rudolf2006さん、おはようございます - 管理人:芳野達司

ありがとうございます。
1週間の入院で済みました。昨日退院し、ほぼいつも通りの生活をしています。明日から仕事に復帰します。
入院中はipodに入れていたバーンスタインの「ファルスタッフ」とジョーンズの「ホルン協奏曲」ばかりを聴いていました。
また、よろしくお願いいたします!
2018.12.13 09:56
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